マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

女性的な響き ミランダマクロン

MIRANDA MACRON 1:2.8 f=52mm

かつて、ミランダという古い国産カメラメーカーがマクロレンズを出していた。
そしてそのマクロの名を『マクロン(Macron)』という。

どこかの雑誌でその名前を垣間見てからというもの、いずれ機会があったら手に入れたいと思い続けていたレンズだった。

ミランダ(Miranda)という名前もいい。いずれも女性名詞である気がする。男性的な調子の多いカメラの中において、この名前は柔和で平和な響きだ。

細かい歴史は

ミランダカメラ - Wikipedia

に詳しいのでこちらを見てもらうとして、わたしが特筆したいのは下記の引用文。

「ミランダ」という名称の由来については諸説あるが、1955年の写真工業誌上に荻原の署名記事があり、「MirandaのMirは…(中略)MirrorやMirade(ママ)のMir-で、レフカメラとしては妥当であり、語尾の-andaは女性的だが全体の調子を整え、やわらかな、快い響きをもっている」(掲載誌から引用)との説明がある。

ミランダの響きは確信的な表現であったのだ。ならばこのマクロンという鈴が転がるような美しい響きもまた、その思想を帯びているのだろう。

ミランダのマクロンには52mm/2.8と55mm/3.5の二本があり、わたしが知っていたのはF値が3.5のものであった。しかし、海外にはより明るい2.8のマクロンがあることを知った。
気がつけばわたしの手元にはマクロンのかわいい鏡筒があった。

52/2.8マクロンはMiranda MIRAX LABORECというカメラ専用のマクロレンズである。というのが現在の定説であるようだけれども、ミランダマウントのものもある。という説もある。
わたしのものはどうかというと、じつはミランダカメラを持っていないので検証できないという有様だ。
フィルター径が58mmなのでリバースが容易なため、わたしは破廉恥にもこれをひっくり返して使う。等倍を越えるためのダブルヘリコイドもこれでは意味がなく、ただの伸びるフードとなっている。申し訳ないが、わたしはまずマクロレンズとしての実用を考えている。

MIRANDA MACRON 1:2.8 f=52mm

ミランダの接写用カメラ「ラボレック」は1960年代中頃のものであるから、これはえらく古いレンズなのかもしれない。ミランダのマクロレンズについては情報が少なく、わたし自身もミランダカメラには疎いため推測の域を出ない。
詳しいことがわかれば、マクロトプコールを越える歴史の「35mmフィルムのマクロ専用レンズ」になるのかもしれない。

詳しい研究はわたしにはちょっと荷が重い。だが、マクロンのかわいさを伝えることはできるかもしれない。
マクロンは名前もかわいいのだれども、絞り羽がかわいい。
開放状態でも控えめにそのブレードを主張している。EL-NIKKORなどでも開放状態で絞り羽が見え、ボケなどの形に影響するものがあるが、こんなにかわいい絞り羽は初めてだ。
マクロンの絞り羽は贅沢な12枚。これが丸みを帯びた形をしており、あたかもレースで縁取りをされているかのようだ。以下、開放f/2.8・5.6・16の絞り羽の具合を見ていただきたい。

↓開放f/2.8

MIRANDA MACRON 1:2.8 f=52mm (f/2.8)

↓f/5.6

MIRANDA MACRON 1:2.8 f=52mm (f/5.6)

↓f/16

MIRANDA MACRON 1:2.8 f=52mm (f/16)

かわいいアパチャー・ブレード。絞り込めば円形絞りといっていい。しかもマクロレンズらしく、まだf/32の余力を残している。

実写性能は上場。マクロンはお嬢様なので強い光を扱う場合、ディフューズに気を使うこと。
下記、ゴビアゲートの写真を作例として紹介しておきたい。

ひとつ気がかりなのはレンズ構成。
マクロン55/3.5の構成は資料があり、これは3群4枚のクセノター。
しかしマクロン52/2.8のレンズ構成がよくわからない。
レンズの反射面を見ると6枚構成のようにも見えるが、わたしにわかるのはそれくらいだ。
ものによっては正面マウントのほうがよく写るかもしれない。いずれテストしてみたいが、わたしにはまだなし得ていないことだ。
果たせるかなマクロン入手は、より深い沼への呼び水となる。このためにマウントアダプタを買うのはもったいない気がするが、レディのためならば仕方あるまい。

 

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