マクロレンズにのめり込んでいると、双眼鏡にもマクロ能力を求めたくなってくる。
そんなわたしがオススメするのはペンタックスの『パピリオ2 6.5x21』だ。
使い続けて一年ほどたったのだけれども、双眼鏡にどっぷりと浸かりこんだ方でなければ。いや、どっぷりと浸かりこんだ方にもオススメできそうだ。
それというのも驚異の最短観察距離0.5m。これは0.5m先の500円玉ほどの視界で観察できるくらいのマクロ能力を有している。現在のところわたしが調べた限りでは、双眼鏡でこれだけマクロ観察できる双眼鏡は存在しないからだ。
もちろん無限遠もよく見える。といってもわたしの基準は一眼レフの望遠レンズを覗いたファインダーと比べてなのだけれども、じつによく見える。メガネをしていてもたいへん見やすい。フルサイズの300mmと同じくらいの視野だろうか。
ピントは中央のダイヤルで調節する。今どきの双眼鏡というのはみんなこうなのだろうか。昔わたしが使っていた父の双眼鏡はピント合わせものすごく重かった。これはたいへん便利だ。両手でホールドしつつ、中指一本で軽々とピントが合う。
なにより安い。現在のAmazonで1万円を切っている。
カメラでも双眼鏡でも同じで、高倍率は常に手ブレとの戦いとなる。そういった意味でパピリオは6.5x21の低倍率モデルをオススメしたい。もちろん用途によるけれども、8.5×21という倍率もある。この価格帯にしては心憎い三脚穴もついているので、長時間の観察の場合は別途三脚や一脚などを使えるのもうれしい。
初代パピリオはコーティングに若干難があって、ピーカンの野外だとフレアがかかったりすることもあるというが、わたしが動物園で使っていた限りはよく改善されている。見た目はそっくりなので、オークションなどで中古を買う場合は「2」のほうを選ぶべき。
もっとも新品価格でもそれほど高くないので、新品を買うことを強くオススメしたい。双眼鏡はカメラレンズ以上に内部のホコリやカビなどがあると厄介だ。パッと見、分解メンテ性能はあまりよくなさそうだ。
わたしがこの双眼鏡を買うとき、同時に視野に入れていたものは単眼鏡だ。ミュージアムスコープと呼ばれる手のひらサイズの筒で、これは少し離れた美術品を見るのに都合がいいとのこと。
なかばニコンの単眼鏡に心が傾いていたときに、パピリオの存在を知った。いずれ単眼鏡も買ってしまう予感はするのだけれども、双眼で立体的に見ることができる。というのはなかなか代え難い。パピリオは低倍率なので美術鑑賞でも十分使うことができたので満足している。しかし単眼鏡のコンパクトさは魅力なのでいずれ買ってしま(以下略)。
ネガティブな点は単眼鏡に比べると抜群に大きく重いこと。だが同スペックの双眼鏡に比べればとくに気にならない。むしろ軽い。
パピリオのデザインが若干人を選ぶこと。わたしは許容できる範囲ではあるものの、双眼鏡らしいデザインとは少し離れているので、ガチの人にはここが気に入られないかもしれない。
ラバーコートはグリップはいいがホコリがつきやすい。金属ボディに貼り皮を…と思うけれど、ようは値段の折り合いだろう。まだ一年ほどで月一回使うか使わないかのわたしの場合だけれけども、いまのところベタつきとかはない。
他の方の高額な双眼鏡レビューを見ていると、ここには近寄らないほうがいいと思わされる。フラッグシップから覗く風景はとんでもなくクリアーなのだという…
レンズ沼はこんなところにもあった。覗き込んだら帰ってこられない。
わたしは「とりあえずまともに観察できる適当な双眼鏡をひとつ」。というくらいの軽い気持ちであったので、パピリオ2には大満足している。おそらく多くの人にとって双眼鏡は適当なものをひとつ持っていれば満足。というジャンルであろうから、そういう方にはパピリオ2を何度もオススメしておきたい。
これに満足できなければもっと高倍率の、防振装置がついた光学メーカーの双眼鏡を求めるのだろう。WEBを検索するとヤバめな方がそこらにいるから検索しないほうがいい。
最後は双眼鏡沼の先人たちが口を揃えて警告している言葉で締めくくりたい。
「ズームの双眼鏡はやめておけ」
[↑マクロ能力がいらないと選択肢が多すぎる双眼鏡沼]
PENTAX 双眼鏡 PAPILIOII6.5×21 ポロプリズム 6.5倍 有効径21mm 62001
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2015/02/13
- メディア: エレクトロニクス
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