マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。被写体は鉱物標本/ルース。猫も撮ります。マクロレンズとヘンなレンズが多いです

非加熱であるということ

Aquamarine(Non heat)
アクアマリン(非加熱) 2.48ct スリランカ


ルース好きにもいろいろいて、非加熱であるかどうかを気にする方も多い。
わたしといえば「どちらも欲しい」タイプではあるものの、やはり情報としては加熱か非加熱かということを明記してほしい。
これはマニアとしては仕方のないことだ。より多くのインボイスがあればあるほどいい。


このブログを見ている方には説明の必要もないと思うのだけれども、宝石というのはたいがい加熱されている。
原石標本ではなくカットルースであれば「非加熱」の表示がない限り、十中八九「加熱品」だと思っていい。


なぜ加熱をするのか?
これは宝石の色が濃くなりキレイになるからだ。
一般的にルビーやサファィヤなどは(一部の例外を除き)加熱をしなければ、ああまで鮮やかな色にはならない。


マニアの中でも伝統的なユダヤ教徒なみにトラディッショナルな方々は、この加熱を蛇蝎のように嫌う。
それは宝石の持つ本来の色ではないと考えるからだ。
わたしの周囲ではこれほど厳格な掟をもっている方はいないのだが、最近ではこうした情報が出回るにつれ、「加熱品=なんかヤダ」という流れが出来ているらしい。
確かに同じグレードであれば加熱品より非加熱のほうが気分がいいのでそれはわかる。


だが、加熱。いわゆるエンハンスメントというのは歴史の中で宝石をよりキレイに見せるため産まれた技法だ。あまり邪険にしないでほしい。
いずれも楽しむという懐の広さで石どもと接していただきたい。


なぜこんなことをいうかといえば、一年くらい前だろうか。
御徒町の立ち飲み屋で意気投合した(おそらく)宝飾業界のリーマンさんがへべれけになってこんなことをいっていたからだ。


「最近の客は妙に知識をつけるから、何出しても『これは非加熱ですか?』とか聞いてきやがる。ルビーなんか火ィ入れなきゃ見れたもんじゃねえよ!!」


すみません。わたしも石オタなので… と内心思いつつもホッピーをがぶがぶ飲んでおりました。
あんまり業界人をいじめないであげてください。
わたしもごくごく近い身内に宝飾業界人が多いので、なんともいえない気分だ。


というわけで上記アクアマリンは非加熱です。
目の覚めるような色でもなければ吸い込まれるような色でもありませんね。
どちらかというと凡庸なガラスみたいな色です。


だがそれがいいのです。
この石が加熱によって生み出される伸びしろを持っている… と考えるだけでマニアは楽しいのですから。


こうしたマニアのわびさびを一般の目に触れるところへ持ち込んで得意になってはいけません。
われわれは意図的に隠れ、メタファーやアレゴリーを駆使して素人をケムに巻き、身内同士でヒヒヒと笑っていればいいのです。
どうせ本物のプロたちには通じないし、素人ならばなおさらです。
ブログでこそこそ同好の士と楽しむことこそ、非加熱を楽しむ趣味人の境地でしょう。
まあ、ここまでひねくれた考え方をするのも珍しいと思いますが。


<撮影=D90 / bellows / TOMINON 75mm F4.5>


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