撮影機材=D90/ベローズ/TOMINON 135mm F5.6
人間というのは歳を重ねてくると「緑の色」を追い求めるものらしい。
都会の喧騒を離れて田舎で暮らそう。
そして、土と緑とともに生きるのだ。
みたいな意味あいではなく、純粋に目が緑色と欲するということだ。
なんでも加齢とともに網膜の緑を緑を識別する能力が衰えていき、
結果、精神的に緑をよく見たくて周囲にその色を求めるのだという。
どこまで本当なのやら。
もっともわたしはまだそんな心配をする年齢でもない。
が、緑が人になんとなく癒しを与えるということはエメラルドを見ても明らかだ。
いくぶん陳腐な表現とはいえ、「エメラルドグリーン」の持つ魔力は健在だ。
ローマ皇帝だって血なまぐさい格闘をエメラルドの眼鏡で見たりもするさ。
わたしのような庶民には眼鏡にできるほどのエメラルドは持ちあわせておらず、
せいぜい写真くらいのものがやっとだ。これで写っている範囲は30mmほどだ。
強い光を当てているので透明感はあるものの、本物はもっと濃ゆい色をしている。
できれば結晶の頭の残った柱状のものが欲しいが、これはこれでお気に入りだ。
いちばん欲しいのはアニメ『耳をすませば』で主人公の雫がもらったエメラルド。
白い母岩の割れ目の奥にひっそりと生えるエメラルドの結晶…
ただ、なかなかああいう割れ目の中にある標本はないんですよね…
=========