ちっこい標本が好き。
というよりデカいと置き場所をふさぐ、という理由から
わたしはマイクロマウントやサムネイル標本が好きだ。
まだ10代のころ原石標本がいかに場所を取り、
かつ定形の形ではなく脆いものもある、と知った。
だからわたしはルース蒐集に足を踏み入れた。
いずれ劣らぬ後ろ向きな動機ではるあが、
日本の住宅事情ではすべてがコンパクトにまとまっていくのはむべなるかな。
この重晶石。バライトは横幅が60mmほどあり、わたしの手持ちでは大型標本だ。
高倍率マクロに撮り慣れてしまうと、このような等倍よりも大きなサイズに写欲が沸かなくなる。
今回はたまたま手に入れたレンズが180mmと長焦点だったために、
被写体として白羽の矢が立った。
板状で三階菱のような形はマニア好みの標本だ。
一般的には資源鉱物として、胃の検査につかうあのバリウム原料など。
ほとんどの鉱物はこうした資源原料として使われ、
形のいい鉱物などもまとめて粉砕されているかと思うと少しつらい。
最も、こうした使い方のほうが世のため人のためにはなるだろう。
それを考えると鉱物集めは資源を失敬して観賞用にする罪深い行為…
かと思うとやはりつらい。
趣味の道とはつらいものだ。
こうして石を撮っていると、俗塵から離れて撮影に没頭できる。
たまに頼まれて建物や人物なども撮ることもあるけれど、
石を撮っているときが、わたしにとっていちばん静謐な時間だ。
猫を撮るときは冒険をしている気分だけれども、
石の撮影は対極にある。瞑想といってもいい。
今、わたしの撮影環境はあまりよいものではないので、
三脚を広げてライトを当ててじっくり撮れる環境を作りたい。
せめて手のひらサイズのものを思うままセッティングして撮れる環境がほしい。
そのときはまた、この石にもモデルになってもらいたい。
Nikon D600 / bellows / fujinon A 1:9/180
teresita Mine La Union.SPAIN
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[↑開放値F9のピント合わせつらぁ]
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