FoV=18mm
Nashik, Maharashta, India
D610/ Micro Nikkor 55mm F3.5(rev)
インドは聖地ナーシクよりお越しの蛍石さん。
インドの蛍石は球状結晶でおなじみで、ごく稀に赤いものが出てくる。
水晶に埋まったこの石は強い光を当てるとこれくらいまで赤く見えるけれど、
通常の光では赤というより赤褐色に見える。
太陽光に透かすとベースの水晶を通して、わずかに光が通る。
するとこの写真のクランベリーみたいな色形がかいま見える。
なお、紫外線による蛍光は見られない。
蛍石は現在の鉱物界ではにわかに流行していて、
珍しい産地。伝統的な産地はただいま引く手あまたで高沸している。
内モンゴルの夜明けのような青蛍。形のいいイリノイのゾーニングパープル。
その他もろもろ、蛍石のように全世界で産出し、ほぼすべての色があり、
さらに形が整っている石は人気が出る。
石オタの世界。とくに鉱物標本マニアの間では
「いきつく先は水晶か蛍」
といわれるほどだ。
わたしはそこまで蛍石にお熱というわけではなく、
どちらかというと、産地別よりも持っていない石のコンプリートを目指してしまう。
それでもこの蛍石は形が面白いのでつい手を出してしまった。
これはほとんど埋没していて、ひょっこり顔を出しているタイプで愛嬌があるけれど、
いずれ球状結晶が真珠のように突出している標本も欲しい。
こうしてわたしも蛍に導かれて蛍沼に沈んでいくのだろうか。
そうなったらそれはそれでまた一興。
FoV=40mm
Nashik, Maharashta, India
D610/ Macro-NIKKOR 12cm F6.3