マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

顕微鏡でルース観察

アマチュアのたいしたものを買わないコレクターのくせに、
一丁前の顕微鏡でルースをじとじと眺める。
そこに現れるカケやカン、インクルージョンやクラックを確認する。
店やカッターからすればいやな客だと思うのだけれど、
当方の趣味なので勘弁してほしい。

このモンタナ・サファイアはナチュラル品で、
本来は爽やかなグリーンがステキなんです。
しかしルースの固定に黒ねりけしを使ったため、
こんな色に撮れてしまった。

Montana Sapphire

D610/Nikon OPTIPHOT / BD Plan 5 DIC
FOV=3mm

目的はファセット面の確認なのでまあいいか。
ということでテーブル面に現れたカッターラインを眺める。
肉眼ではまったく気にならないレベルなのだけれども、
ここまでばっちり拡大すると、アラのないルースなど存在しない(と思う)

よく見るとカッターマークのほかにも、
表面に稲穂のように曲がった謎のつぶつぶが…
他のファセット面を見ると、気泡が連続している。
どうも気泡状のインクルージョンらしく、
こんな特徴があるものかと驚きだ。

 

 

さらに観察は続く。
ちょっと前のミネショで、お気に入りのルース屋さんから買ったタンザナイト。
こちらも非加熱のナチュラルもの。
マニアはひとまずナチュラルを与えておくと喜ぶ生き物なんです。

Tanzanite

D610/Nikon OPTIPHOT / BD Plan 5 DIC
FOV=3mm

顕微鏡下で見ても素晴らしいカット。
エッジはどこまでも直線で、それでいて角はつるりと面取りをされている。
カッターの方向も一定であることが腕の良さを表している。
迷いがあるとカッターラインが荒れ、結果石の輝きが鈍る。
わずかにカットの角度が一定ではないが、ご愛嬌レベル。

こちらは底に黒ねりけしを使っているものの、
観察領域がファセットの端で、背景の影響を受けていない。
通常観察もアッシュブルーであるから色の雰囲気は残っている。
明視野像よりも暗視野像のほうが比較的、観察物の雰囲気が残りやすいが、
見たままの色を顕微鏡撮影で再現するのはいろんな意味で難しい。
まずサイズが極小なので、拡大すれば肉眼とはどうしても色の違いが出る。

 

ねりけしで固定するよりも、いっそルースケースのまま観察しては?
そう思ってわが家でもっとも高額な石のひとつであるエメラルドを眺めてみた。
これはなかなかいいではないですか!?

Emerald

D610/Nikon OPTIPHOT / BD Plan 20 DIC
FOV=0.75mm

これはルース表面ではなく、内部のインクルージョンを観察している。
というのも、このルースは産地がわからない。
色的にはコロンビア産であってもおかしくないのだけれども、
鑑定に出すほどのこともしたくないため、今まで謎だった。

一般にコロンビアのエメラルドは『三相内包』といって、
海水由来の岩塩による個体インクルージョン。
同じく海水由来の液体インクルージョン。
そして炭酸ガスが作る気泡インクルージョンがある。
この三種が確認できれば、そのエメラルドはコロンビア産といっていい。

岩塩はひしゃげた方形で薄膜になっているため、
ギザギザのふちが確認できればそれだという。
しかし検鏡し慣れていないわたしの目がギブアップ。
ここのところ仕事でもPCで酷使している目は、
まぶたが不随意にピクピクするのだ。液体と気泡を発見し、
岩塩のインクルージョンは確認できず。
というよりも、見たことがないのでどれがどれだか。というのが正しい。

エメラルドは内包物が多くて楽しい。
観察していて飽きない。
この小さく広い森の中に、いつか鉱脈をみつけるぞ。
そう心に誓いながら、いそいそと石どもをお片付け。
かわいい石たちめ。
最後に記念撮影だ、こいつめ!!

Jams

 

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 [↑集合写真はかなり雑]

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