マダガスカル産
FoV=35mm
D610/Bellows/FUJINON-M 1:5.6 f=63mm
わたしの石好きは “透明でキラキラしているもの” が好きだったからだ。
子供の頃は親や姉に得体の知れないガラス片や石など拾ってきては、
得意気にそれら “宝物” を見せては呆れられた。
「あんたはカラスみたいね」
という言葉の意味を知ったのは後年で、
その意味はキラキラしたものであればひとまず拾ってきてしまう。
言い得て妙なもので、この言葉は実のところ気に入っている。
なので石については基本的にキラキラしているものが好きなのだけれども、
気が付くとこういう地味めな石(失礼)も愛おしくなってきた。
それでも渦潮のような、銀河のような模様の端に
キラキラと輝く水晶の群れがあるものを選ぶあたり、自分らしい。
こうした景色のいいオーシャンジャスパーはマダガスカルからやってくる。
日本と同じ島国であるマダガスカルからは、およそ取れないものはないというほど
さまざまな宝石が産出することで知られている。
しかし島国だからオーシャンがいい。というのは若干安易だろうか。
ジャスパーというのは微細な石英が寄り集まってできる鉱物で、
和名を碧玉[へきぎょく]という。
美しい名前だけれども、石の名前に色名をあててしまうあたりが
鉱物に対する日本の美意識らしい。
おかげで赤いジャスパーが赤碧玉と、わけのわからない呼び方になってしまう。
もっとも石英系鉱物は和名洋名ともに若干混乱していて、
微細な石英が集まってできたものでも透明感のあるものは [玉髄/カルセドニー]。
それがグリーンだと [緑玉髄/クリソプレース] 。赤だと [赤玉髄/カーネリアン] となる。
さらにこれが縞模様になってくると [瑪瑙/アゲート] となる。
正直、石オタのわたしも石英の異名については、しっかり覚える気がなくなっている。
とはいえ石英系の話題になると、こうして話が脱線してしまうくらいだ。
その魅力には抗いがたいものがある。
オーシャンジャスパーの色と模様はわかりやすく無限大だ。
これからどこかで気に入った模様を見つけるたび、
手に取ってサイフの中身を思い出しながら検討を重ねていくと思う。
慰めになるのはその値段だ。
石英系鉱物はとびぬけて高い例外はあるものの、その多くは手頃で庶民感覚。
しかもバリエーションは入門者から深い沼に飛び込んで戻って来られない者まで、
集め手を選ぶことがない。
いいジャスパーたちに出会うには、ひたすら石に触れる機会を増やすこと。
多くの石に触れて養われる、捨て目の鋭さ。
そしてなにより運が重要だ。
どんな石も、お金を積めば手に入るものではない。
ひとつひとつ石の違いがあり、その価値は持ち手だけが決めることができる。
そういった意味でジャスパーはわかりやすく、いい石だと思う。
- アーティスト: スチャダラパー
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