Pantoja, Toledo,
Castile-La Mancha, Spain
FoV=25mm
D610/Bellows/printing NIKKOR 105mm f/2.8
『花のような』鉱物の写真をというオーダーがあったので、
いろいろと撮っていたんだけれども、いざ『花のような』というとなかなかない。
このアラゴナイトは肉眼でパッと見、アザミのような感じがしたのだけれど、
撮ってみると何かが違う。どう見ても鉱物だ。
なので供養のためブログに掲載することにした。南無。
このアラゴナイトはえらく繊細な放射状の細い結晶で、かなり本気を出して撮った。
しかし本気を出したところ、セメント状の母岩が撮影位置を変えるたびに崩壊する。
もろい母岩に臆してネリケシ固定を甘くすると、撮影中にゆっくりと倒れてくる。
いくら加減をしても崩壊は止まらない。撮るなら完全な状態を保っている今だ。
途中から花のことはひとまず念頭から遠ざけ、撮ることに専念した。
このアラゴナイトの一番きれいな時間を、全力で残しておきたい。
今までいろんなアラゴナイト。あられ石を見てきたけれども、
それまでは『わりと丈夫な石』という印象が、この母岩とともに崩れ落ちた。
針状の結晶もやわで、触った時に数本折っ欠いた。
この産まれたてのような石に、撮影を義務付けられる当家の環境は厳しい。