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マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。被写体は鉱物標本/ルース。猫も撮ります。ヘンなレンズが多いです

TOMINON 銘のマクロレンズ

富岡光学は不思議な会社だ。戦前戦後にかけて存在した光学メーカーで、
数多くのレンズを世の中に供出してきた。
今では京セラオプティックとなっているが、富岡光学の技術継承は実感できないと、
もと京セラ勤務の方が書いた本で見た。

その多くはOEMとして他のカメラブランドに卸されて、
有名なところではM42ネジマウント『AUTO TOMINON 55mm/f1.2』は、
ヤシカ、コシナ、チノン、Revueがまったく同じ焦点距離、F値のレンズがある。
これらはすべて富岡光学のOEMだといわれている。

トミノンブランドの優秀さは当時あまねく知られており、
f/1.2のレンズを作ることができる技術力からもわかるように、
総合的なレンズの力ではかなり優秀なメーカーであった。
今でもトミノンに対する信仰は強く、この玉に惹かれるマニアは多い。

POLAROID LAND CAMERA 『MP-4』 MACRO TOMINON

 

そんな富岡光学の技術力は、アメリカのポラロイド社も目をつけるくらいだった。
上のレンズはポラロイドの創業者、エドウィン・ハーバード・ランドの名前をつけた
『ランドカメラ』の二代目レンズとして採用された。
もともとはローデンシュトックの『ユリゴン』が使われていたが、
これがちっとも解像しなかったため、トミノンに変えられたという話だ。
トミノンマクロの話は『結晶美術館』に詳しく、
正直ここがあれば他のWEB紹介はいらないのではという気がしなくもない。でも書く。

ランドカメラMP-4は複写。あるいは接写に特化した大判のシステムカメラ。
上記トミノンはそのカメラ(一部はポラロイドのCU-5)に使われたレンズで、
マクロの表記はないものの、紛れもないマクロレンズだ。

17mm、35mm、50mm、75mm、105mm、135mmという
マクロ的にはほぼ完璧なラインナップを揃え、接写における解像力も高い。
日本ではあまり出回らなかったので、国内ではほとんど見ないけれども、
海外だとよほど人気だったのか、今でもお手頃な価格で見つけることができる。

POLAROID LAND CAMERA 『MP-4』 MACRO TOMINON

ただし、お手頃ではないのがマウント径。
M40という特殊なネジマウント。
これを変換するには変換アダプタが必要となる。
古いライツの接写システム『アリストフォト』が一部採用しているねじマウントで、
そのおかげで探せば変換アダプタは見つからないこともない。
今はいろいろなマウントをアダプタを世に送るロシア業者もいるので、
それほどマウントに苦労することはないかもしれない。

POLAROID LAND CAMERA 『MP-4』 MACRO TOMINON

もしも、レンズと一緒に純正のシャッターも手に入れたのであれば、
これを使うのが一番手っ取り早い。
上記『POLAROID MP-4』というロゴの入ったものは
コパル社のものでメイドインジャパンのシャッターとなる。

POLAROID LAND CAMERA 『MP-4』 MACRO TOMINON

このシャッターを開放にしておき、レンズをマウントする。
純正なのですばらしくフィットするし、なにより格好がいい。

POLAROID LAND CAMERA 『MP-4』 MACRO TOMINON

レンズボードを締めるための抑えリングをはずせば、
そこにM39のピッチ1mmのマウントが現れる。
M39→適合するマウントのアダプタは手に入りやすい。
ネジピッチが違うためアダプタが途中までしか入らないが、
当面の利用であれば十分に使用に耐える。
大判で使いたいなど思わず、そのマウントで使い続けるのであれば、
ホットボンドなどではめ殺しにしてしまってもいい。

費用対効果。値段に対しての高価でいえば、このトミノンマクロはとても優秀だ。
コストの問題だったのか、本体鏡筒の作りはかなりチープな手ざわりだけれども、
実用に耐える金属製。使い倒すためのマクロレンズといってもいい。

105mm、75mm、35mmあたりが使いやすくてよく解像する。
わたしが一番好きなのは75mmだ。
いちばん高倍率を狙える17mmも悪くなく、
防振や照明の迷光処理をしっかりすればシャキッと写る。
35mmと17mmは照明をしやすい先細りの鏡筒なのが嬉しい。
17mmは20倍の顕微鏡対物レンズに相当し、そのように設計されているらしい。

マクロ専用レンズなのでリバースする必要もなく、
各焦点距離を揃えるのであれば、このトミノンは高倍率マクロ者の強い味方になってくれる。
日本ではあまり使われないレンズなので、わたしも紹介しておかなくてはという気にさせられた。

富岡光学珠玉のマクロ専用レンズ。ぜひ一度使ってみてもらいたいレンズだ。

[参考 75/35/17mmで撮ったコバルト華]

macro-style.hatenablog.com

 

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