マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。被写体は鉱物標本/ルース。猫も撮ります。ヘンなレンズが多いです

またニコンミュージアムにいってきた

NIKON MUSEUM

二度目のニコンミュージアム参り。前回はオープンのさいに行ってきた。

今回は特別展でニコンの試作機たちがズラリ。しかも、実在すら定かではなかった幻の『試製 Macro-NIKKOR』が出ているというので、時間を作って品川へ向かった。

ニコンのマクロレンズは伝統的に「Micro-NIKKOR」という名前で、マイクロを冠している。それはなぜかというと、等倍までの撮影ができるものを「マイクロ」。当倍以上の撮影ができるものを「マクロ」という内規の用語規定があったとされる。

しかし「マクロ」の名を関したニッコールは一般に発売されなかった。唯一、大判カメラ用のレンズ『NIKKOR-AM』の英語カタログの一部に「AM(Apo-Macro)」という注釈があるのみ。これは隠れたマクロニッコールと、マニアの間では呼ばれている。

その筋のマニアの間で評価の高い四種の『Macro-NIKKOR』は、大型マクロ写真撮影装置『マルチフォト』専用のレンズであるが、これは一般に発売されてはいなかった。さらにいうのであれば、マルチフォトは35mmカメラ部門が作ったのではなく、顕微鏡部門が作ったという話もある。制作した部門の検証はいまだ推測の域を出ないので、また別の話に。

今回の試作展では正真正銘「35mmカメラ部門が作ったマクロニッコール」のプロトタイプが展示されているのだ。しかも『ニッコール千夜一夜物語』によれば、試作のマクロニッコールは三本。試作展の初期は確かに三本のマクロニッコールが展示されたのだけれども、気がつけば一本増えて四本の試製マクロニッコールが展示されている。マクロマニアとしては見に行かざるを得ない。

Prototype Macro-NIKKOR & Macro-unit NB1

…これが。これが試製マクロニッコール。
使用倍率によって色分けされたカラーラインが、顕微鏡対物レンズやマクロニッコールを彷彿とさせる。

試製マクロニッコールの焦点距離とF値とカラーラインはこうだ。

1:1.4 f=28mm(ブルーライン)
1:2.8 f=50mm(グリーンライン)
1:4 f=80mm(イエローライン)
1:5.6 f=150mm(レッドライン)

マクロユニット『NB-1』に装着された28mmが一番大きい。

Prototype Macro-NIKKOR Auto 1:1.4 f=28mm

Prototype Macro-NIKKOR Auto

半世紀を越えてきたレンズはあまり状態がよくないものもある。とくに80mmと150mmの状態はよくない。だがわたしは知っている。ぼろぼろでもマクロニッコールがどれだけの実力を発揮するかを。本気を出せばクォークだって撮影できるに違いない。

『ニッコール千夜一夜物語』「第二十六夜 Ai Micro Nikkor 55mm F2.8(後編)」でもその試製マクロニッコールについて、こう書かれている。

「――(前略)いずれにしても、高解像で光学系としては究極の姿でした

 

Prototype of image magnifying equipment NIKON Macro-unit NB-1

フロントスレッドはネジではなく二枚羽のバヨネット式。いったいどのようなアクセサリーが想定されていたのだろうか。残念ながらアクセサリーについての展示や解説はなかった。

注目したいのはマウント部分だ。目視はできないものの、あのリアキャップはFマウント…!! さらにNB-1のレンズ着脱部の様子はFマウントベローズのものに酷似している。おそらく試製マクロニッコールはFマウントに違いない。なにしろ35mmのカメラ部門が作っているのだ。絶対にそうに違いない。

 

Prototype of image magnifying equipment

こちらは説明書き。「四面のミラーによって光路を縦方向にすることで、カメラとレンズの距離を変えることなにく数倍から十数倍の拡大撮影が可能」とある。
この縦型ベローズというべき装置は、今に伝わっていない。何か不具合があったのだろうか。試製マクロニッコールともども使ってみたい。使わせてください!!

わたしはマクロ関連のものを中心に見て回ったけれども、プロトタイプニコンはどれも驚きのアイテムだった。
とくにニコンが中判のカメラシステムと8mmのシステムを試作しまでしていたというのは驚きだ。そして、その現物が残っているということも。

NIKON MUSEUM -Prototype cameras-

ニコンミュージアム入場無料だしまた来ます。
マクロ者としてはこれ以上ないほどの大満足展示でありました。嗚呼、いつか試製マクロニッコールを使ってみたいものだ…

SINAGAWA inter-city

 

【おまけ】

歩いて数分のテナントに宿敵キヤノンのギャラリーがあるというので、ニコンをぶら下げながら冷やかしてきた。

CANON Gallery S

新商品の展示や写真画廊だけかと思いきや、往年のキヤノン機もあったので行ってよかった。

CANON Gallery S

これが初代キヤノン…いや、左上は精機光学研究所のカメラ。
『CANON』の前身となった『kwanon』のカメラだ!!

kwanon camera & KASYAPA 50mm f3.5

これが精機光学研究所のレンジファインダー機『kwanon』。もちろん『觀音』からその名を頂いており、観音様のご加護をということである。さらにレンズは『KASYAPA』。こちらは釈迦の弟子であるマハー・カッサパから取った「カサパレンズ 1:3.5 f=50mm」である。なんというブッディズムあふるるカメラであろうか。

kwanon camera

軍艦部には『kwanon』の勇ましいロゴマーク。
絶対いまのキヤノンのロゴよりこっちのほうがいい。

kwanon Logomark

もののついでであったが、初代觀音機を目にすることができた。僥倖僥倖。

水無月のすがすがしい晴れ間の空の下。わたしは意気揚々と帰るのであった。

 

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