高倍率のマクロばかりだと気詰まりになるし、さりとてスマホカメラだと気分が乗らない。そんなときにはペンタックスQの出番だ。Q10に06の望遠レンズをつけて、そこらにぶらりと秋を見つけにいく。
秋は散り際が潔い。
なんでもイチョウの葉は栞にすると防虫効果があるという話なので、数枚お持ち帰りする。なんとタダだ。
季節感のない花壇の洋花もどこか秋らしく。おそらくは散ったケヤキの枯葉効果。
ここから冬にかけて、彩りを失い気味な季節にやさしいナナカマド。
この実を使ったジャムがあるという話を聞いたことがあるけれど、一度食べてみたい。たぶん一度で十分だと思うが食べてみたい。
植え込みにボケの実が落ちていた。
何かにかじられたような跡があるので持ち帰りはしなかったけれど、心ゆくまで華やかな香りを胸いっぱいにお持ち帰りだよう。
サザンカはもはや定番すぎて面白みがないとすら思うのに、こうして咲き誇っていると撮らざるを得ない。
お前たちは咲くとすぐに落ちるからな。と、恩着せがましい感じで撮るまでが定番。
町の隠れハートも見つけた。ハートの半分は鏡像なんだよ…と思いつつ撮る。
もはや町はクリスマスに向けてうかれポンチだ。ハートも高沸するので半分だけなんだよ。
路地に駆け込む影があった気がして、壁の隙間にカメラを突っ込んで撮影。猫様だ!!
撮影するわたしに一顧だに値せぬ、といわんばかりのガン無視。
町の路地から路地へと移動中。人間が追跡できるわずかな一瞬を求める。
ここまで完全に無視。
藪に入り込んで地面の匂いチェック。
ここならば猫様もわたしに気が付かざるをえないが、それでも無視。
「猫様…!!」
と声に出してはじめて
「ん?」
という具合。
そして笹の秋の匂いチェックに戻られる。
一顧だに値したことだけで、わたしは十分だ。
藪に消えていく猫様と純白の菊門。
これ以上の追跡はよくないと直感してわたしも撤収。
乙女心と猫心と秋の空。
PENTAX Q10 / PENTAX-06 TELEPHOTO ZOOM
すべて絞り開放での撮影
[↑普段の撮影ではピンボケなんて気にしません]
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