マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

D850とZerene Stackerによるフォーカススタッキング撮影

大注目されていたD850のあまり注目されていない機能が「フォーカススタッキング機能」。
わたしのような高倍率マクロ撮影者にはありがたい機能と思われるかもだけれども、AFレンズではないと動作しないのでわたしもそれほど興味がなかった。

でも、内蔵されている機能であれば使ってみないとと思い、始めて使ってみた。
被写体は適当に積んだダイスの山。撮影範囲はおおよそ15cm。撮影枚数は50枚で、フォーカスステップは「2」(1~10の間で選べて、数が少ないほうが幅が狭く細かい)。もちろんサイレント撮影で。
レンズはマイクロニッコール60mm f/2.8G。絞り開放。ホワイトバランスはオート。シャッタースピードは1/25。もちろん三脚使用。

本体合成はできないので、深度合成ソフトはいつもの『Zerene Stacker』。D850にしてから「メモリ割当が少ないからもっとメモリよこせ」と文句をポップアップしてくるかしこいソフトだ。

jpgの撮って出しで加工はZerene Stackerでの積み上げのみ。サイズはFINE☆。

↓50枚中の始めの一枚。

Stacking experiment(First of 50)

↓50枚中の最後の一枚。

Stacking experiment(Last of 50)

撮影のピント位置の前後がこれだけ違うものを50枚用意して、深度合成ソフトを使って一枚の奥行きが深い写真に仕上げます。
今回は始めての試みだったのでステップ「2」の50枚だったけれども、これならステップを「3」くらいにして、撮影枚数を7-80枚でもよかったかなという感じです。

 

↓Zerene StackerによるPMax合成

ZS PMax

↓Zerene StackerによるDMap合成

ZS DMap

PMaxのほうが破綻なく積めている。高倍率だとDMapの画像も含めてレタッチしてさらに詰めていくので、どちらの方法でも現像してみるほうがいい。

PMaxのほうはこうした不透明で単純なものをただ合成するのに向いている。手前あるいは奥から順繰りにピントの合っている部分を合成していくので、これが基本の合成モードだと思っていい。
毛のような繊維やコントラストが弱い被写体でも強引に詰んでくれるので頼もしい一方、高倍率だと彩度が失われたり変色することがあります。

DMapは色の再現率がよく、透明な部分の再現性もなかなか。色のフレッシュさも残ります。ただし、のっぺりした色が続くところでは画像が破綻したり、シャープさが失われたり、謎のモヤモヤが発生したりします。DMapは最終段階でモヤモヤを消すか残すかのスライダーが出たりするので、レタッチ前提と思っていいかと。

PMaxとDMapはそれぞれ良いところ悪いところがあり、それはトレードオフで同時に再現できない性質のものだったりします。なので、Zereneに慣れた人だとこのふたつを使って、さらにレタッチを加えて完成に仕上げるのがふつうです。

↓PMaxとDMapの両方を使い、Photoshopでレタッチをしたもの

Retouch

こんなに撮影範囲15cmほどで、いつもはこんな大きなものを深度合成しないので、ちよっと誤魔化し気味なレタッチはご愛嬌。
レタッチの方法は人によって違いますけど、わたしはPhotoshopで二枚の画像をレイヤーにして、ざっくりと解像度と色の再現の妥協点を探して調整します。画面に写ったホコリとかゴミもなかったことにします。

結論:D850のフォーカスシフトはけっこう使える

でもわたしは高倍率マクロ者なので、あまり使う機会がなさそう。

風景とかにも使ってみたら楽しそうですけど、わたしはたぶんやらない。

 

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[↑Photoshopでも深度合成できるけど、マクロだとPMaxとDMapの悪いとこ取りに] 

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