米国TV局CNNが「世界6大猫村」に認定した村がある。
米・フロリダ州のヘミングウェイ博物館。
イタリア・ローマの古代遺跡のラルゴ・アルジェンティーナ広場。
トルコのカルカン。
日本は福岡県の相島と宮城県の田代島。
そして台湾の侯硐(ホウトン)。
日本にあるふたつの猫島をすっとばして、台湾の猫村には何か強く惹きつけられるものがあった。前々から行きたいなあと思っていたら、友人たちと台湾に行こうという計画が持ち上がり、ここに寄りたいと全力で駄々をこねたのだ。
台北から一時間もしないで行ける宜蘭線の「猴硐」駅に降りると、平日の昼時でもそこそこの人が。平日は一時間に1本くらいの間隔で電車が来る。金土日は2本くらい。
ホームから改札(といっても半分無人)までのとおりにも猫作品がいっぱい。等間隔に猫トイレもあり、これは愛を感じる。
第一村猫はミケさん。
愛らしいおしり。
猴硐は西口と東口があり、西口が丘になっているいわゆる「猫村」となっている。といってもこの駅の周辺の東西南北どこにでも猫はいるので、どちらにいってもいい。どちらも行くのだ。
まずは西口の「猫村」へ。漢字ガイドつきで日本人ならすぐわかる。
猫村への連絡通路は今どきなデザイン。
この連絡通路にも猫様がいらっしゃるので見逃せない。
この猫様は抜け毛の時期でロックな感じ。右の鼻黒さんは猴硐駅の四天王的存在で、もう他界したけれども親善大使的な猫として今でも村のシンボル的存在として扱われている。
猫村に入ると「マジかよ…ここは天国か」的な光景が。
猴硐の猫たちはみんな人馴れしているのでカメラを向けてもまったく動じない。おさわりすると嫌がる猫様はいるが、それは各々距離感を取っていこう。
すごいぞこの村。古い台湾の村様子が残ってて、猫好きにも建物好きにもたまらないぞ。
猫村の高台には猫カフェもある。今回は外猫ばかりと戯れていたので入らなかったけど、やっぱり入っておくべきだった。次来るときは絶対入る。
どこからか猫様の哀れみを感じる声が聞こえたと思ったらここに閉じ込められていた。そこのサインポップは中国語だけれどもなんとなくわかる。悪さをした猫様が反省を促すために営倉入りさせられているのだ。何をしたかわからないが、村の掟であれば手出し無用。しっかり反省してシャバに戻ってきてほしい。
わたしの予想では金魚に手を出したのではと睨んでいる。
フリードリンクは村のあちこちにあるので、猫様はここでしっかり水分補給してほしい。
猴硐の猫様たちをまとめて。
何件かお土産屋さん的なものもある。ここで猫グッズを補給するのもいい。
すみませんこの等身大猫様おいくらですか? というのはもう鉄板のツッコミ。なんというあざとさ!!!!
西口から東口へ。こちらのほうが観光地っぽい。駅テラスベンチにもサビ猫様がぐっすりお休み中。
テラスから一枚。こじんまりとした駅前広場。この写真にもじつは二匹、猫様がいらっしゃる。
駅のキオスク的な売店はおやすみ。ド平日だったからで、土日祝あたりは賑やかなのだろうと思わされる。
キオスク猫様も今日はオフらしい。
東口は炭鉱博物館のようなものがあり、ここにも猫があちらこちらに。もとは炭鉱街であり、鼠害を防ぐために派遣された猫たちの末裔が今もこうして村に住み着いている。由緒正しい猫様たちだ。
猫の情報量が多すぎる一枚。猫写真家たちは思い思いの猫様を撮影する。
炭鉱博物館は無料だし、中には一休みできるカフェもありここも天然猫カフェのようだ。
博物館の中であっても猫様はおかまいなしにお気に入りの場所がある。今の時期は暑くも寒くもないちょうどいい時期だったが、ここにはエアコンがあるから夏は猫の集会も行われているだろう。
猴硐駅前にお目当ての『猫鳳梨酥』を求めて。『鳳梨酥』はいわゆるパイナップルケーキというやつで、台湾土産の鉄板。味はカロリーメイトにパイナップルのジャムを入れたような感じだ。
おおっと店の構えに猫様が。ここか。ここにおいしいパイナポーケーキがあるんですね。
はい、買います。というか我々だけで200個近い鳳梨酥を買いまくりました。店のおばさまも喜んでくれて、いろいろオマケをつけてくれた。
我々の購買欲に触発された猫様。突如店の外に飛び出したかと思うと鬼ごっこを始める。猴硐の猫様はメリハリがすごい。
駅前で猫様にまじって肩身が狭いはずだけど気にせず我が物顔な犬さん。わたしたちがいる間じゅう、ずっとここから動かなかった。
猫様を撮りまくり猫鳳梨酥を買いまくった我々は駅前の甘味屋でひと休み。この袋にぎっしりと猫鳳梨酥が入っている。なおこれはわたしだけの量だ。
台湾風かき氷など。上からピーナッツ氷、イチゴ氷、マンゴー氷、桑の実と煮豆の氷。わたしは桑の実と煮豆のかき氷を頼んだ。宇治金時から抹茶を抜いて賑やかにしたような。桑の実ジャムも煮豆もじつに美味。
昼食に冷麺も。麺に黒酢とラー油。紅生姜に千切りキュウリ。味付けピーナッツのペーストたれが入っていて、これを混ぜて食べる。すばらしく美味。東京根津の『海上海』で食べたよだれ鶏に麺を入れて食べたものだけれども、それに近い味だ。
世界6大猫村。満喫した。あともう二時間くらい枠を取っておくべきだったという思いは残るが、また訪れたときの楽しみが残っていると考えよう。
台湾が猫にとって住みやすい。人に愛されているということを知ることができて、わたしは大満足であった。
台湾の猫様たちが幾久しく幸せでありますように。
[トルコのカルカンにカルカン持っていきたい~]