マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

石好きによるルーペ紹介②『池田レンズ Ruper TRIPLET 10x』

Ikeda Ruper TRIPLET 10x

わたしはミネラルショーなどにおもむく際にはストラップつきの『ベロモ トリプレット 10x』を持っていくことが多いけれど、常日頃ポケットに入れているのはこれ。

『池田レンズ』から出ている『Ruper TRIPLET 10x』。レンズ的には同社の宝飾用ルーペのフラッグシップモデルといっていい。「繰り出しルーペの10倍といったらこれ!!」というくらい、スタンダードな決定版モデルといえるだろう。

『池田レンズ』とは大阪に本社を構える大正11年から続く老舗のルーペ製造販売元。その名前を知らずとも、お世話になっている者は多い。長年使っているルーペに特徴的な「Ruper」のロゴは入っていないだろうか? あればそのルーペは池田レンズ謹製だ。OEMも多く、日本のルーペシェアを考えるとカートンやビクセンといった大手に次ぐのではないだろうか。大学の教材としても使われていると聞く。

Ikeda Ruper TRIPLET 10x

今のモデルはアルミ製のものと真鍮製のものがあるが、この古いタイプはレンズ鏡筒部分がアルミ製で、外装が真鍮製となっている。アルミは軽いのだけれども、真鍮の経年劣化は味わい深い。ここまで外装がくたくたになっているのに、佇まいは新品を凌ぐ。宝飾用とはいえ野外のフィールドワークに持ち出すにはもってこいの堅牢さがある。

前に紹介したベロモち違い、ヒンジ部分がプラスのネジでキリッと締められている。使っていくうちにバラバラになる心配はなく、ちょっと緩んだかな…と思ったらご家庭にあるドライバーセットで簡単に増し締めができる。

なんでもかんでも日本のものは凄い。というのは疑問だけれども、こと光学関連に関して日本のプロダクトは地球で最も優れている。それは最上級のものだけでなく、こうした手のひらに乗るルーペひとつ取っても違う。外装のできが日本のモノはとてもいい。用具の美がある。それでいて押し付けがましくない。それがこのルーペのいいところだ。

Ikeda Ruper TRIPLET 10x

レンズの反射光に注目されたし。写り込んだ白い光はトレーシングペーパーをかけた照明なのだけれども、白い光が白く写り込んでいる。ベロモのようなコーティングがいっさいない。無垢の光学白ガラスだ。

コーティングはレンズのヌケをよくして結果的に解像度アップにつながるのだけれども、観察物にごくわずかな色がついてしまうという宿命を背負っている。正しい色を正しいままに見たいのであれば、このノンコートレンズがルーペにおいては勝ることがある。もちろん使うガラスもそれなりのものでなくてはお話にならない。

さらにノンコートレンズには使用に対して大きなメリットがある。コーティング剥がれを気にしなくてもいいので、皮脂などで汚れたらシャツのすそやテイッシュなどでドライのままガシガシ拭けるのだ。もちろん事前にホコリがある場合は吹き飛ばしておいたほうがいい。粉塵には石英粉が含まれていることが多く、石英のモース硬度は7。ガラスよりも硬いため、うかつに拭くとガラスにキズが入る。

Ikeda Ruper TRIPLET 10x

デニムパンツのコインポケットにそっと忍ばせるのに最適なサイズもいい。日常でなにかにつけてルーペを使うことが増えると、ものの見方が違ってくる。これが安いダブレットレンズだったりすると、すぐにホコリがレンズの内側に入り込んでとても不快な観察になってしまう。トリプレットのいいところはレンズの中に、物理的に異物が入らないことだ。さらにRuperであればコーティングを気にせず付着したホコリも拭い去れる。解像はもちろん特級なので安心してほしい。

このルーペは一見何の特徴もない。ブランドも表記されていないのでオークションなどでは見過ごされがちだ。うまくいけば10000円近いブランドルーペが、500円ほどの捨て値で入手することができる。このルーペは前述したとおり、教育機関が備品としてまとめて導入することがある。中古の玉数は決して少なくない。

わたしはすでに三つほど確保した。だからわたしは山を降りてワールドワイドウェブの海に漕ぎ出し、この秘伝をルーペの沼を進みゆこうとする者に伝えたかったのだ。(要約=わたしはもうさんざん買ったのでみんなオークションで殴り合うのだ)

Ikeda Ruper TRIPLET 10x

【まとめ】
池田レンズ Ruper TRIPLET 10x

レンズ径=17mm(実測)
重量=30g(実測)
全長=40mm(繰り出し前/実測)
厚み=19mm(実測)
レンズ構成=トリプレット

・観察しやすさ=93点
・解像感=93点
・扱いやすさ=93点
・耐久性=95点
・コストパフォーマンス=90点
・総合点:92.8点

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池田レンズ メタルホルダールーペ 7012

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