実用することがないとしても買ってしまうこともある。
こうなってくると、いよいよ「わたしはコレクターではありません」
とはいえなくなってくる。
でも人って何かしら集めていたりするものじゃない? 的な回避もまだできる。
世の中には、
「写真を撮るためにカメラを買う」人ばかりと勘違いしているようで困ったものです。」
と力強く言い切る方もおられるというのに、
わたしときたら予防線を張ることにやっきになる。
恥じつつも楽しいマニヤの道。
さらに軟弱なことに、わたしはこのカメラにフィルムを詰めて撮影しようとしている。
フォトミックの露出計が生きているかはまだ不明。
現在売られているボタン電池を水銀電MR-9の形に変換するアダプタがないため、
露出計が動くかどうかわからない。
アダプタは昔使ったものがひとつあるので安心していたら、
この機種はふたつ使うのだという。
焦ることはない。
なんとなればスタジオデラックスを片手に歩けばいいし、
さらに軟派な気分であれば勘露出でもかまわない。
わたしはフォトグラファーではなく、ただの趣味人なのだから。
カメラによくないと思いつつ空シャッターを切って、
わたしが生まれる前に奏でられたであろう音楽に耳をそばだてる。
カニ爪と連動した絞りを最大から最小まで何度もガチャガチャさせ、
その機械の動く精巧さに心を奪われる。
こうした所作のひとつひとつがなんというか、たまらなくいい。
“写真を撮るためではないカメラ”の味わいのなんたる甘いこと。
なにせ写りを気にせずともいいのだから気楽なものだ。
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[↑無論、レンズにも適用されます]
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