たまたま道に迷ったときに見つけたこの神社。
東京拘置所と道を隔てたひとつ向かいにある。
拘置所はヘリポートを備え、まるで大企業のビルのようで。
しかし反対側にはこんな店があり、
強制的にここがどこかを感じ取らせてくれる。
認め印とかがあるあたり超リアル。
わたしは神社が撮りたいのだ。
ひとまず撮影料を投げ込んでから撮らせていただく。
お手水には水がなくカラカラ。
なんですか手も足も洗わせるにはいかないってことですか!?
的なことを考えてしまうのも場所柄のせい(偏見)
正直よくわからない看板と能書き。
お稲荷さんだということはわかった。
とくに盛り上がりもなくさあ帰るかと思ったとき、
社の裏にさらに小さな社があることに気づく。
ちらっと除いてみるとそこには神様がいた。
拝め拝め!!
反対側に回り込んだところでご尊顔を拝する。
あまりの神々しさに一枚撮らせていただき退散。
なんてご利益のありそうな神社だ!
家に帰って縁起を調べてみたところ、
あの猫神がいた奥に見える石の下には
『小菅御殿の狐穴』
というものがあるらしい。
当時ここには将軍様が鷹狩りを楽しむ場所があり、
一休みする為の御殿があったとのこと。
貴人がいるとのこと。
この御殿には有事に備え、空井戸を利用した抜け道があった。
将軍のご逗留時に敵襲があることへの備え、という訳です。
しかし明治時代。政府は将軍職を廃止。
抜け穴など不要だから埋めてしまいましょうという運びとなる。
すると御殿跡地の政府関連施設で相次いで事故が起こります。
ある夜、お役人の枕元に一匹の白狐が現れます。
「私はいにしえからこの小菅稲荷の『使い姫』として、
空井戸に棲んでいた狐の一族の長老である。
この程我らの住居を埋められて大変に難渋している。
速やかに穴を元に戻すように」
と言い残して消えました。
そして穴を元通りにしたところ、ぱったりと事故は起こらなくなりましたとさ。
これが、小菅稲荷神社に伝わる『使い姫の伝承』なのだという。
調べ終わって、わたしは得心がいったもので。
今では野狐などそういるものではないため、
使い姫の役目は猫達が担っているのだろう。
お努めご苦労様です。
使い姫たちが、いく久しくすこやかでありますように。
この神社に来てよかった。
撮影=D600/bellows/EL-NIKKOR 105mm F5.6
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[↑古い神社がいつまでも変わらずあり続けますように…]
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