D610/Bellows/Ernst Leitz Wetzler Summar f=8cm
グリーンを噛んだやさしいシーブルー。
どこから来たのかわからない、カルセドニーさん8mm(直径)。
ルースのときは『玉髄』ではなく『カルセドニー』と呼びたい。
でもまあ『玉髄』もかなりイケてる名前なのでこだわりは薄い。
玉髄は石英の一種で、微細な結晶が緻密によりそって塊状になっている。
そのせいで完全透明なものは見たことがない。
たいていは不透明か、半透明だけれども、それがこの石の持ち味。
硬度は7だけれども、ヒスイと同じく緻密な石であるため、
靭性が高く、ガラスにも傷をつけることができる。
しかし、多孔質であるため油気などに触れていると色が移る。
酸と染料を使って着色をすることもあり、
うまく染めるとなかなか天然物と見分けがつかないことも。
石英の仲間である玉髄にはさらに分家が多いのも魅力。
日本では昔から珍重されている不透明な赤、黄、緑、黒のものを『碧玉(へきぎょく)』というし、
緑地に赤の斑点を持つものは『血石(けっせき)』。
円心状に連続する縞模様はおなじみ『瑪瑙(めのう)』と呼ばれ、
赤みを帯びた褐色のものは『紅玉髄』。
さらに褐色を増して茶色くなったものを『サード』とも呼ぶ。
その中でもわたしはブルーの玉髄。
このシーブルーカルセドニーが好きだ。
もっとプールのようなスカッとしたブルーのものも捨てがたいが、
わたしには少し緑がかったこのパステルカラーが好みだ。
あまり名前が細分化されると覚えるのが一苦労なのだけれども、
それぞれに歴史があり、辿ってきた意味があるものは重い。
できるだけ尊重してあげたい。
新しい石たちはシンプルな名前で我慢してもらおう。
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[↑カボションは写りこみが出て撮りにくいネー]