一昔前は西川口に行ってくる。なんて公言したら「あらやだあの人」みたいなことをつぶやかれた違法風俗街だったそうだけれども、当局による一斉摘発によって滅びた。今ではガチなアジア料理のひしめく謎地域になっている。
というわけで石クラスタ数名で『滕記鉄鍋炖(二号店)』という店で、中国の東北地方の鍋を食べるぞとやってきた。あいかわらずの中国風景と中国語飛び交う駅前に懐かしさすら覚える。
『滕記鉄鍋炖(二号店)』は駅から徒歩数分のビルの地下。構えはどでかいLEDつきの看板があったのだけれども、あまりにハデで目視しているのに認識できなかった。
地下は妙にくねくねした通路。ここもかつては違法風俗だったのかな。その通路の長さがガサ入れのときの時間稼ぎになるのかなとかよくないことを考えていたのは秘密。
オススメなのだからオススメを頼む。この日はちょうど五人だったので都合がいい。
東北サラダや牛の心臓炒めその他も軽く発注。
テーブルに埋め込まれた大鍋に油を入れて、食材を炒める。食べられるところまですべて店員さんがやってくれる。
写真はないが初手で、頼んだはずのない鯉がまるまる一匹乗った皿が置かれて困惑する。他のテーブルと間違えたのだけれども、あれもちょっといいなと思った。
鍋を作っている間に他のメニューが届く。下は牛の心臓炒め。思っていたよりも香辛料が控えめで、穏やかな味。心臓は驚くほど柔らかく、いわれなければ上等なヒレ? と勘違いするほど品のいい味。さすが筋肉の塊。これならモツ嫌いもいけるのでは。
これは東北サラダ。春雨にキュウリにニンジン薄焼き卵。牛肉もトップに散らす。そして存在感のある押し豆腐の千切り。ビネガーとごま油で味をつける、いわゆる中華サラダの味だ。これはおいしい。
そしてこれが中華マッシュポテト。湯気でもう何がなんだかわからないが、肉味噌で食べる。くどい味付けではなく、ポテトサラダというよりやはりマッシュポテト。バターは使ってないので、ごく少量のお酢と水で伸ばしているのかな。
鍋にはフタがしてあって、そこからジャンジャン湯気が出てくる。縁からは容赦なくお湯がたまり、鍋越しに皿から料理を取り分けようとすると罰ゲームみたいな熱さが待っている。ちょっとしたアトラクションだ。
できあがり。
鉄鍋のヘリに叩きつけて蒸し焼きにしたトウモロコシ粉の蒸しパンが特徴的。味付けはしていない。これを噛りながらリブやトウモロコシ、ジャガイモ、カボチャ、さや豆、春雨などの具を食べる。鍋の味付けは酒を入れた中華醤油に八角風味。寒い地域だからてっきり辛いのかと思ったら、豆類や穀物多めの田舎鍋だ。
わたしが一番いいなと思ったのはコーン。最近日本ではあまり見ない、甘くないコーンだった。前歯でかじり取ると噛みごたえがあって粒がモチモチしている。少し乾燥させているのだろう。
頼みすぎて後半はもう詰め込む感。鍋底には焦げ付き防止にステンの底敷きがある。
ちなみにテーブルはこんな感じ。ブロック塀だ!!
内装もすごく凝っていらっしゃる。ひとりであの鍋は死あるのみだけれども、四人を越えたら鍋をつつくのとてもいい。日本ではなかなか食べられないタイプなので、一度おおいでよ。みたいな。
帰りは駅前にあるドリンク屋「街角小桟」に立ち寄る。前から来てみたかったんだ。
オーダーはスイカジュース(L)、550円「今から君の名前を探します」という謎のキャッチコピー。なんで個人情報特定ですか? なお背景は同行の石クラスタのシャツ。
味はスイカをミキサーにかけた味。想像通り。流行りのタピオカや、ホットスナックやハンバーガーなんかもあるので重宝されている感じだった。
ごちそうさまでした。
[まだまだ西川口にはガチ中華あるぞ~]