マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

APO-NIKKOR 760mm F11 最小絞りf/128を体験していただきたい!!

疫病の蔓延で暗くなりがちな年をよい形で締め、次年に繋げるのは、暗くても高性能なレンズに決まってる。となれば日本の高度成長を助けたアポクロマートの長焦点の出番だ。

わたしは装備一式を担いで都内某所の高いところに向かった。

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はやる気持ちを抑えきれず、カメラを撮るカメラを忘れてしまった。スマートフォンの写真だけれども、この雄々しさ。雄大さは届くだろうか。いやきっと届くはずだ。

20201231_151635_455_135mmフルフレームのカメラを想定されて作られたSLIKのカーボン三脚が「話が違う!!」と悲鳴をあげている。嬉しい悲鳴、というやつですね。

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なんと無限遠のバックフォーカスは74cmほどもある。この手のヘリコイドのない産業用レンズをベローズなどで使う際、最低限その焦点距離の長さの蛇腹等が必要だ。どうでもいいことばかり書いているブログだけれども今日は「この手のバレルレンズは焦点距離=無限遠を出せるベローズの最低長」ということだけでも覚えていってほしいんだ。

そして、試写に移る前にアポニッコール雲龍型土俵入りも見ていってほしい。

APO-NIKKOR 760mm f/11

APO-NIKKOR 760mm f/11

APO-NIKKOR 760mm f/11

APO-NIKKOR 760mm f/11

f/128という非現実的な絞り値がこのレンズのかつての用途を匂わせる。開放でもf値は11と暗い。8x10を越える超大判をカバーできる広大なイメージサークルを持つのにを持つのに開放f値が11! なんて明るいんだ!! もっと暗くしてもいいんですよ!?

とかく明るさを求めがちな現代のレンズにでっかい一石を投じるレンズ。それがAPO-NIKKOR

760mmで物足りなければその後に890/11。1210/12.5。1780/14という超望遠暗め単焦点レンズが待っています。騒がしくて眩しいものが苦手な渋いあなたに、ぜひ一度アポニッコールをお試しを。


試写条件=[D850/Aモード/ISO64/WB=太陽光/RAWからjpgに変換のみ]
大判をカバーするはずなのにケラレているのは、35mmフルフレーム対応のベローズとリングを使っているのと、リングが機材の重みでたわんでしまったため。つまり若干レンズと素子が水平になっていません。あらかじめご了承ください。

開放f/11

B_APO_NIKKO&760_f11


f/16

B_APO_NIKKO&760_f16


f/22

B_APO_NIKKO&760_f22

 

f/32

B_APO_NIKKO&760_f32


f/45

B_APO_NIKKO&760_f45


f/64

B_APO_NIKKO&760_f64

f/90

B_APO_NIKKO&760_f90


f/128

B_APO_NIKKO&760_f128


f/128なんて絞り値。生きている間に使うことがあるとはって感じです。

試写その2も見たいという奇特な方はFlickrのアルバムまで。


このレンズはずいぶん前に購入したものですが、そのときは手持ちのベローズとリングだけでは無限遠が出ず、長く防湿庫の奥底に封じられてきました。しかし延長ベローズPB-6Eといつのまにか増えた延長リングでついに実用することができました。

使うことができなかったレンズが使えるようになると嬉しいものですね。

 

2020年は暗い話題の多い年でした。しかし古く暗いレンズでも現代に通用するほど立派な写りをするんですから、暗いからとひとくくりに無下にはできないものですね。

最後は暗いレンズで楽しく明るく締めくくりましょう。

この場末ブログを訪れていただいている皆さまにとって、来年が素晴らしき年となりますように。

 

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