マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

ニコン研究会 東京グランドミーティング スーパーマニヤの集い 顕微鏡の夕べ

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

先日行われた『ニコン研究会 東京グランドミーティング スーパーマニヤの集い 顕微鏡の夕べ』にわたしも参加を許されることになり、喜び勇んで参加してきました。スーパーマニヤでもなく顕微鏡もマスキングテープでデコるくらいミーハーなわたしですが、こんなこともあるんだなあ。

『RED BOOK NIKKOR』の管理人にしてニコン研究会の常務理事。秋山満夫導師じきじきのご招待。餃子とベローズの縁がまさかこうなるとは人生何があるかわかりません。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

朝はお仕事で現場に出ていたので、装備はリュックひとつとミニ銀箱ひとつきり。そこにNIKONのM Planの1~100倍までの対物セットとRMSマクロニッコール。石クラスタとして外せない鉱物標本とルースを少々。そこにルーペや紫外線ライトなどの小物を置いてという具合いに。

同席のaluさんが同人誌を持ってきていたのでお店を開く感じでマクロクラスタの席をセッティング。

 

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

お隣のテーブルでは大変なことに。なんと40倍対物レンズ「のみ」でレボルバーに花を咲かせておりました。そのほか見逃せないマニアならではの小物も。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

ウワーッ! ニコンの高性能システム顕微鏡のはしり。『APO PHOT』だ!!
これニコンの『産業用レンズ展』で展示されていたのを見たっきりなんですが、個人が持てるものなんですか!? しかも出荷されたばかりみたいにピカピカ。しかも干渉位相差セッティング。レボルバーには『CF Plan APO』のセット。完璧なコンディションで動いている。なにこれ…なにこれ…

「スゲー! すごくねー!?」と、とろサーモン村田状態になっていると、近くの紳士が「おひとつ覗いてみませんか?」と。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

おっこの顕微鏡は小ぶりでかわいいニコンS型顕微鏡? ついてる対物くんも基本セットなやつっぽいからわたしも緊張しないで覗ける… と思っていました。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

(↑の写真はスマホでコリメート撮影したものです)

えっ…わたしのオプチフォトよりもよく見えるんですが…というかこの珪藻プレパラートは。ツリーの珪藻プレパラートはMWSの珪藻プレパラート!!! もしかしてこの机の尋常でない装備たちは!?

もう何から驚いていいのかわかりませんでしたので、近くの紳士にキレぎみで質問してしまいました。

「この顕微鏡。わたしの使っているオプチフォトと対物レンズよりも数段綺麗に検鏡できるんですけど!?」
「すべてメンテナンスしていますし、プレパラートも観察状態も完璧ですから。対物レンズは○○○○の方にメンテをしてもらいました」

顕微鏡のポテンシャルを完璧に仕上げると、基本セットともいえるS型と対物レンズでもここまで凄いのかとそれは感動しました。

「お使いのオプチフォトですが、おそらくプリズムあたりが曇っているのでは」
「あっはい、じつはそうなんです。自分で分解してメンテももとに戻せなくなりそうなので手付かずで…」
「案外なんとかなるものですよ。簡単です」
「(ウソだぁ!!)」

でも今度プリズムの清掃にトライしてみようと思いました。○○○・○○○○の方からレンズ磨きにいい薬液の配合も教えてもらえましたし!!

「じつはわたしもそちらのプレパラートを以前お譲りしていただいたんです。これです」
「ああこれはいろいろな珪藻が入っててお得なやつです。これには苦労しました。たくさん珪藻が入っていますが、まず不純物を取り除いて珪藻だけにするのが大変で」
「水洗いをするんですか?」
「ええ、まず水からなんですが市販の精製水は不純物が多くて使えませんので、まずそれを蒸留することから初めます――」
「――待ってください。精製水を蒸留って」

MWSの品質の高さの秘密の一端に触れることができました。これは余人には真似ができません。


動揺しながらもミーティングが始まります。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

ずけずけと最前列をキープしたわたしの図々しさがよくわかる写真です。手前に見えるサイクロプスの目を装備したニコンSP(たぶん)はプロカメラマン、赤山シュウ氏の愛用品。

 

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

ニコン研究会の創立37年… 定期的にミーティングを開いているんですから並大抵のことではありません。しかもメンバーはニコンエンスージアストコレクター。世界でもトップの重鎮が集まっているんです。なんでわたしがこんなところにいるんでしょう?

正直どこまで当日の写真を出して紹介をしてよいのやら。

ひとまず「ネットオークションという存在がいけない」というのはどのマニアも感じているということがわかりました。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

これは業者の倉庫でもなければ研究施設のバックヤードでもありません。個人蔵です。

「箱物があるとついかわいくて買ってしまう」

わかります。そして、心のタガを外してしまうとこうなるんだということもわかりました…

 

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

「この万能投影機もつい買ってしまったものなのですが、中身の光学系がごっそりない。このままわが家にあり続けるのだと思っていましたが――」

万能投影機みたいな大物を「つい」の一言で片付けられてしまい、ちょっと脳髄液が漏れた気がします。

「ところがいつだったかオークションでニコンとも何も書かれていない、謎の箱入りレンズが現れたので買ったことがあったんです。なんとそれがこの万能投影機のレンズだったんですね。長くやっているとこういうことがあるものです」

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

これが世界有数のニコンエンスージアストか…と深く感じ入ったものです。なお、実物も当日展示してありました。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting


ミーティングが終わると懇親会が始まり、美食と美酒を楽しみながらニコン製品についてのフリートークが始まります。展示のネタがまたものすごく濃ゆいので、トークのネタが尽きることはありません。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

おかげでわたしも自然といろんな方と交流することができました。わたし自身もマクロクラスタとして、ちょっとしたネタを持っていったのもよかったです。ルーペについての濃ゆい話や、ベローズの愛について語ることが止まりません。わたしも顕微鏡本体や、撮影台などを持ってくるべきかと思いましたが、わたしの体力では電車にまでもたどり着くことができなかったでしょうね。なにしろ撮影台や顕微鏡は重い。

顕微鏡やマクロ以外ですと、なんと『ニッコール千夜一夜物語』でおなじみの大下孝一氏とお話をすることが!! 

 

わたしはニコンのWEBコンテンツの中で『ニッコール千夜一夜物語』が一番好きです。新製品についてだけではなく、ともすれば会社の黒歴史になるかもしれないことを、こうしてコンテンツにできる度量。それができる歴史を持ち、かつ今も光学の最先端を走る企業がやってくれるということに意義を感じずにいられません。

佐藤治夫氏もいらっしゃっているということでしたが、あちこちに飛び回って話をしているうちに時間がなくなってしまいお話できなかった。そのことだけが心残りだなあと会場を後にしたとき、なんと道すがらお話していたのが佐藤治夫氏。地下鉄の中でもギリギリまでお話に付き合っていただけて、

「ファンです。あのコンテンツがいちばん好きです。毎日ブラウザ開いてます!!」

と、お伝えすることができました。我が人生に一片の悔い無し。

本当に書くことが山のようにあります。人生で初めてエイトバイテンのポジフィルムをライトボックスとPEAKのルーペで眺める機会もありました。しかもその方、Twitterで交流がある方だったというオマケつき。NIKKOR-AM 210mmという、マクロクラスタにとっても見逃せないレンズを本来の使用として正しい大判で使う方で、はす向かいのジャンルがより身近になりました。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

 

さらにTwitter関連では気がつけばフォロワー同士だった方もおられました。その場でノートパソコンを開き、

「あっ、こちらのアカウントの方でしたか。いつもお世話になっております」
「ウウッ、人のアカウントから自分のプロフを見るのはこっ恥ずかしいですね」

という心温まる交流も。

懇親会の最後には、

「記念にうちのマクロニッコールたちと写真を撮らせてもらってもいいですか?」

というお申し出があり、わが家のマクロニッコールたちとの記念撮影をものにしました。

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

なんて濃ゆい交流でしょうか。
今日は顕微鏡がテーマということなので、黄色と赤のマクロニッコールはお留守番だったのですが、今は「ずるい。俺たちもいとこに会いたかった!!」と防湿庫の中で兄弟喧嘩が勃発しています。

最初から最後まで、飽きることを知らないミーティングでした。
ただのマクロ撮影が好きな石好きのわたしに、こんな楽しいパーティーのお誘いをしていただけた秋山導師と、導師とのお付き合いのきっかけとなったaluさんには感謝しかなく。

先にも書きましたが、レンズ設計の佐藤氏とも電車まで語り合いの時間を得てサドンデスまで圧倒的快勝。次の日は朝早いのと、ニコン研究会での全力交流によって速攻で眠りに落ちました。一日の間、ずっとハッピーなままで過ごせた稀有な一日とあいなりました。

ニコン研究会にご参加の皆さま。運営に携わった皆さま。本当にお疲れさまでした。そしてあの楽しい場に同席させていただき、本当にありがとうございます!!

 

===おまけ1===

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

おみやげに頂いたニコンF金太郎飴と、クイズ答案の記載にも使ったニコンミュージアムのボールペンです。単眼鏡はこっそり自慢で持っていった五藤光学研究所の90周年記念で作られた『GOTO GT-M518』。これも話のタネになってくれました。

 

===おまけ2===

Nikon Kenkyukai The Tokyo Grand Meeting

作家の柊サナカさんがいらっしゃるということで、サインのおねだりをしようと持っていった『谷中レトロカメラ店の謎日和』とサインペン。呑気していたら、サナカさんは所用で早く撤収されていたためサインのおねだり大失敗の巻の図です。

※なおこのブログの「」で書かれた会話は、当方の主観と記憶に頼って書かれています。正確なニュアンスではないことを前提としている旨、ご承知ください。

 

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[↑ウェーイ!! 改めてニコンが好きになりました!]

ニッコールレンズのすべて (Gakken Camera Mook)

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単眼鏡、五藤光学研究所、GOTO GT-M518、ブラック

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谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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