マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

レンズ

わが愛する産業用マクロレンズ、FUJINON-M

わたしが産業用マクロレンズ。という癖の強い沼に落ちてから十余年。 一次資料が豊富でその歴史背景までが明らかにされてきた産業用ニッコールという太陽のような存在の中、産業用フジノンはまったく一次資料のない中で日陰のコレクションを求められてきた。…

セルフサンタとして発注していたPERGEAR 35mm F1.4が思いの外早く届いて嬉しい誤算だったので柴又帝釈天にお散歩してみた

この日曜はお休みだったので家でゴロゴロしているつもりだったけれども、佐川急便からのお届け物によって気が変わった。セルフサンタがセルフクリプレとして12月後半に届けばいいかナ~ と思っていた『PERGEAR 35mm F1.4』Zマウントが深センからやってきたか…

LAOWA 25mm F2.8 ULTRA MACRO 2.5-5X はたいへん素晴らしい高倍率マクロだった

老蛙。LAOWA(Venus Optics)は中国の光学メーカーで、2016年あたりから超広角やマクロレンズで個性的なレンズを出し続け、中国発のレンズブランドとしては最も注目されているメーカーだと思っている。少なくともわたしは、特殊なマクロレンズを出していたので…

コニカのGRⅡはHEXANON銘にして産業用のおそらくは複写用レンズ

かつて、コニカというメーカーがあった。正確にいうと今でもミノルタと合併し「コニカミノルタ」となって生きてはいるのだけれども、カメラメーカーとしてはミノルタとともにすでに撤退している。 さらにいうとコニカが出していたレンズブランドとして「HEXA…

デザインスコープから亡命してきて10余年。わが家の防湿庫で楽隠居の産業用レンズ『ES-PROCESS-DX 135mm 1:5.6 SC CO.,LTD』

パソコン以前。印刷物となる文字を焼きつけて版を作るのはレンズと写真の仕事だった。特に手書きのロゴなどは、一度フィルムに写真として取り込みネガから拡大縮小して印刷物に焼き付ける。それはそれは手間のかかる、技術もかかる作業だった。 その産業用機…

Zマウントのマイクロニッコール「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」には大変満足だし猫様も満足だけれども満足のあまり猫目がきつい件について語らせてくれろ

ZマウントのMC105mmについてはWEBに作例が出回り出した頃に「これはすごい中望遠マクロだぞ」と脳天に響くものがあった。かつて、100mm域の民生用レンズでは感じたことのない、ただならぬ気配がどの作例からも漂っていた。 先代の「AF-S VR Micro-Nikkor 105…

ニコンZマウント「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」は軽くてシャープで色収差少なくボケも自然で歴史上の高倍率ズームレンズの中でナンバーワンなのではと思った次第

NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR。三ヶ月ほど使ったけれども、これはすごい高倍率ズームですよ。結論としては「F値が暗いという以外文句がない」ということ。 わたしはこれまで高倍率ズームを敬遠してきたんですが、その理由は「なんかシャープじゃない」「望…

RED BOOK NIKKORの20周年祝いのためにレンズポートレートを撮りにいったので撮影現場裏側も含めて見せちゃう

2021年10月21日。産業用、工業用レンズの啓蒙の一大アーカイブであり詩集である『RED BOOK NIKKOR』の設立20周年だ。ニッコールだけではなく、広く産業/工業用レンズのに光を当て続けてきた偉大なサイトであり、光の当たらない裏側を写し続けてきたレンズた…

ミノルタの引き伸ばしレンズ C.E.ROKKOR 或いは C.E.LENS

引き伸ばしレンズというのは本来、フィルムの画像に光を当て、フィルムによって作られた情報を余すことなく印画紙に焼き付けるための拡大レンズのことをいう。その思想は情報を損ねることなく忠実に拡大する――つまりマクロレンズだ。であるから、マクロレン…

等倍マクロレンズの至宝『Printing-NIKKOR』

等倍ほどの石の撮影のときに使うレンズの選択肢は多く、一般的なヘリコイドつきのマクロレンズだと50mm~105mm。カメラにベローズを装着するのであれば75mm~125mmあたりが狙い目になってくる。わたしは微動装置と撮影台とベローズを組み合わせたものを使う…

RMSマウントのZUIKO MACRO

その昔オリンパスは「宇宙からバクテリアまで」というキャッチフレーズで、OMマウントという一眼レフシステムを築いた。始めは「Mマウント」という名前だったのだけれども、ライカネジマウントがMマウントと呼ばれていたため、カタログなどを出したあとに物…

SHINKO S.G. PROMINAR Kowa 5x/10x/20x/50x

産業用レンズを集めていると、紹介するべきかどうか迷うレンズを抱え込むことがある。わたしにとってはこの、コーワ『プロミナー』の名を関した謎レンズがそれに当たる。 どうして紹介するべきか迷うかというと、レンズの揃いが悪かったり、状態が悪かったり…

ミツトヨ 測定顕微鏡用対物レンズ ML 5x & 10x

この地味~なレンズはミツトヨの測定顕微鏡用対物レンズ。 レンズマウントはM26と、今どきの対物レンズの規格に使われるものと同じなので、対物レンズを一眼カメラにマウントするようなものであればアダプタには困らないだろう。 有限遠補正対物なので、結像…

陽光精機 Oplenon 1 ½ f:1.0 Telephoto

Oplenon 1 ½ f:1.0 Telephoto。メーカー=陽光精機マウント=Dマウント重量=(約)335g全長=(約)85mmフィルタースレッド=52mm化粧箱/前後メタルキャップ付き ヘンなレンズを好んで集めていると、集合知googleさんですらほとんど情報のないレンズが手元にやってく…

高倍率マクロ専用レンズ『Macro-NIKKOR』たち

わたしが下記のブログを書いたのも五年前。このときは赤いラインの12cmと黄色いラインの65mmのマクロニッコールしか手元にはなく。 しかしというかやはりというか、この道を歩いていると集まってくるもので。感動の対面は2018年でありましたが、一度くらいは…

ニコンミュージアム企画展『幻の試作レンズたち ―ミラーレス Z 7がとらえた魅惑の描写』に行ってきた

ニコンミュージアムはわたしみたいなマイノリティの心に刺さる企画をやってくれる。しかも入場無料のミュージアム。本当にいいんですか!? と思いながら毎回足を運んでる。 「Nikkor-S Aute 105mm f/2.8」 『ニッコール千夜一夜物語 第五十一話』に出てきたソ…

ミツトヨの無限補正対物レンズ M Plan APOシリーズ

対物レンズを使った撮影をする人の間で人気があるのがこれ。ミツトヨの『M Plan APO』シリーズ。日本ではそれほどなじみがないのだけれども、海外のマクロ撮影に思いつめた虫屋さんたちを中心にこのレンズは評価されました。 なぜかというと「写りがシャープ…

ニコンの金属観察用有限補正対物レンズ『M Plan』シリーズ

わたしみたいな「石の表面を観察&撮影したい」者にとって、対物レンズはルーペよりも観察しやすく肉眼を越えた高倍率の世界を覗き込みやすい。撮影においては通常のマクロレンズよりも高倍率での撮影に適しているという意味で、避けて通りにくいジャンル。 …

ニコンミュージアム「世界最高解像度レンズの系譜 ウルトラマイクロニッコール」行ってきた

産業用マクロレンズマニアとしては、もはやこの企画展は巡礼。わたしのブログなんて見なくとも、産業用レンズのデジタルテンプル。ウェブシュラインである『RED BOOK NIKKOR』にて、赤本導師が詳細なレポートをされています。おいそれと東京品川まで来ること…

巨大フジノン。FUJINON-M 5.6cm f/7.3

FUJINON-M 1:7.3 f=5.6cm。全長=180mm重さ=1.2kgマウント=(おそらくM67 P0.7)固定絞り 旧世代産業用フジノンのお約束。公式データは一切ない。上記はわたしによる素人採寸なので、参考程度に思っていただきたし。防湿庫の中のヌシとなっている巨大レンズのひ…

フジのマイクロレンズ

フジノンMというレンズがある。これはずいぶん古くからある産業用レンズのようで、さまざまな焦点距離とF値。マウントがこの世の中に存在している。富士フイルムの社史を紐解いてもその記述はなく、それが使われていたという資料すらWEBですら見たことがない…

キヤノンのRMS(FD)マクロレンズ

1974年。キヤノンは二種類のかわいいマクロ専用レンズをラインナップした。 CANON MACRO PHOTO LENS 20mm f/3.5CANON MACRO PHOTO LENS 35mm f/2.8 販売は80年代後半から90年代の初めまで行われていたようだけれども、2000年に入ると当時のカタログや書籍か…

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED の再レビュー

D610/Zoom Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-F5.6D おそらくはわたしが最も使い込んでいるであろうレンズがこれ。マイクロニッコールの60/2.8Gだ。これはAPS-Cのころから大好きで使っていたのだけれども、フルサイズになってからはますます好きになったレンズ…

またニコンミュージアムにいってきた

二度目のニコンミュージアム参り。前回はオープンのさいに行ってきた。 今回は特別展でニコンの試作機たちがズラリ。しかも、実在すら定かではなかった幻の『試製 Macro-NIKKOR』が出ているというので、時間を作って品川へ向かった。 ニコンのマクロレンズは…

女性的な響き ミランダマクロン

かつて、ミランダという古い国産カメラメーカーがマクロレンズを出していた。そしてそのマクロの名を『マクロン(Macron)』という。 どこかの雑誌でその名前を垣間見てからというもの、いずれ機会があったら手に入れたいと思い続けていたレンズだった。 ミラ…

DマウントZUNOWたちと代替Dマウントリアキャップ

ズノーのDマウントシネレンズは美しい。とくにエルモ8用に作られたF1.1シリーズはシルバーの鏡筒がプラチナのようだ。そう思って集めていくうちに仲間たちが集まってきたので家族写真。左から13mm、38mm、6.5mmとなる。金属とガラスで作られたお姿はただただ…

TOMINON 銘のマクロレンズ

富岡光学は不思議な会社だ。戦前戦後にかけて存在した光学メーカーで、数多くのレンズを世の中に供出してきた。今では京セラオプティックとなっているが、富岡光学の技術継承は実感できないと、もと京セラ勤務の方が書いた本で見た。 その多くはOEMとして他…

KONICA UC Zoom-HEXANON AR 80-200mm F4

わたしは等倍に満たないブツ撮りにニコンの『Zoom Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-F5.6D』。通称『ズームマイクロニッコール』を使うことが多い。0.5倍くらいまでの被写体で三脚を使えるのであれば、このレンズはほとんど文句のつけようがないくらい便利なレ…

チープなり、CSマウントレンズ

CSマウントというのは主に産業、工業用カメラなどに使われる。小さい素子にできるかぎり都合の良い焦点距離を合わせるため、フランジバックが12.5mmと極端に短い。 CSマウントは比較的新しいマウントで、ひとつ前のCマウントと比べよくいうと作りがより現代…

日本最古のマクロ専用レンズ? Macro-Topcor

マクロの茨道に踏み込んでからというもの、機会があれば手に入れようと思い続けていたレンズのうちのひとつ。それが某氏の家から、ひょっこりとわが家にやってきた。貴重なレンズの多くは見知らぬ人からではなく、顔見知りになった方から。あるいはその筋か…