NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR。三ヶ月ほど使ったけれども、これはすごい高倍率ズームですよ。結論としては「F値が暗いという以外文句がない」ということ。
わたしはこれまで高倍率ズームを敬遠してきたんですが、その理由は「なんかシャープじゃない」「望遠側の色収差がすごい」というありきたりなもの。というのもわたしはマクロばかり使ってきたので、シャープで収差がないことがいいレンズ。という大前提があり、ズームレンズは基本的にこれまで敬遠し続けていた。
デジタル時代になって作例を探せばWEBに多くあり、買う前になんとなく自分の好みかどうかはわかっちゃう。
このZ24-200はWEBに上げられた作例を見て「とんでもないレンズだぞ、これ」と購入を決意した。
このレンズを買ってから、猫様の撮影はこればかり使っている。
高倍率ズームってこんなに便利なのか~ しかも手ブレ補正がよく効く効く。いままでほとんど手ブレ補正機能のあるレンズを使ってこなかったわたしには衝撃的。
200mmの望遠端(開放f/6.3、ISO2200、ss1/200)でこんなに撮れていいの~!? しかもわたしが一番気にするヒゲの周囲が色づかない!! F値が6.3ってこともあるけど、ここまで猫様のヒゲを忠実に描写できる望遠レンズってなかなかないぞ~~!?!?
そう、この望遠端の開放F値が猫様のアップにちょうどいいんですよ。200mmでもボケすぎず立体感のある絶妙なところ。しかも通常は絞ってシャープにするって感じなんですが、このレンズは開放と一段二段絞ったところでも大きな画質の差がないんです。絞りは純粋に被写界深度のコントロールに使う。みたいな。
広角側も対したものです。これは37mmの画角ですが、さんさんと光降り注ぐ猫様の白い腹毛にイヤな色づきがまったくない!! ピント面はシャープで愛とピークにかけてなだらかにボケていく… はい猫撮り万能レンズ決定。
ただ伸びるズームレンズなので接近してズームすると猫様が驚きます。それは撮影者おのおのが注意したいところ。
フードつきだとこう。フードは逆付けもできるけど、わたしは基本カメラバックにフードつきキャップはずしていつでも撮影できる感じで使ってる。あと机の上で撮っているので背景が写り込んでしまってすみません。狭いんです。
お花もいいですね。キバナコスモスの花弁の周囲の色づきゼロ。色づきがないってことはそのぶんシャープに見えますし、見た瞬間すっきりした印象になる。Z5でしか使ったことないですけど、この撮像素子のピクセル単位までわりと破綻なく移っている。
こちらは24mm広角端でf/8まで絞った記念撮影。24mmが使えるのが超便利。そして24mmだったら開放f/4のところを二段絞れば背景のススキまで必要な深度が稼げますねえ…
とまあレンズとしての基本性能はガチガチの鉄板です。
ネガティブなところを上げると「暗い」というところなんですが、これがどういうことかというと「暗いところに弱い」ってところでしょうか。
こちらの猫様をご覧ください。見るべきところはお目々です。猫目開放ですね? つまり暗がりということです。時間は8月末の21時ごろ。撮影データは開放f/6.3、200mm、SS0.5秒、ISO3200となっております。
Z5が暗所のAFが苦手ということもありますけど、これは若干無理をしすぎた感あります。ISOはあと二段上げて、もっと露出補正も-1くらいしてSSを稼いでおくべきでした。こういうとき、f/1.4。ないし2.8の明るいレンズだといいんですが、それはまあ高倍率ズームには望みすぎ。
こちらは同時刻のf/6.3、155mm、SS1/160、ISO1800。上に照明がついているのでさっきよりずいぶんマシ。
夜は思い切ってISOを6400…いや、12800くらいまで許してあげたほうが、結果的な歩留まりがいいかもしれません。手ブレ補正を過信しすぎてはいけない。
それでも断言できるのは「すばらしい高倍率ズーム」である。ということ。
日中撮影が多く軽くて万能な装備にしたい。そして何より被写体の姿をそのまま写し込める忠実なレンズを求めている方には現時点で最高の選択なのではないかと。
ズームレンズの次元がひとつ上がったんだなあって思わされるレンズです。
==おまけ==
Fマウントに慣れた目にはZマウントのこの接点がまだ違和感。
[↑Zマウントにハズレなしだ]