鉱物撮影の高倍率マクロ撮影者としての結論は「三脚不要。撮影台をガチガチに固めろ」なんだけれども、一般撮影や旅行。部屋の中でのブツ撮りなどで三脚に頼らなくてはならないシーンがいろいろある。そんな理由をつけて一本、また一本と増えては減っていき、残ったのが上記イカれたメンバーたちだ。
ひとまずこれ以上三脚を増やすことがないのではと思ったので、三脚の記念撮影を執り行った。これから三脚を買おうとしている方の約にたつかどうかはわからないし、そんな殊勝なお気持ちでブログを書いていないので、ヒマだったら見ていって読んでいって。
『ケンコー CLAMP POD PRO100』
これはずいぶん初期に購入したもので、机にガッチリクランプして撮影すれば部屋での高倍率撮影にいいのではと思い購入。結論をいうと想定した用途としては使えなかった。撮影角度の自由度が低い上、ベローズとデジタル一眼レフを支えるには役不足だった。
それでも今日まで生き残ったのはクランプ機能と携帯性のおかげ。
今では撮影用としてではなく、おもに自宅のベランダからスズメを見たり月を眺めたりするときの双眼鏡用三脚となっている。雲台は付属のものが頼りなかったので、マンフロットのミニ自由雲台をつけている。
旧製品なのでいつ消えるかわからないけれどもケンコーのリングも貼っておこう。
『Velbon ULTRA 553 mini』
ツーリングや旅のお供に使っているのがこれ。
最大長630mm。パイプ径(最大)27mm 5段
推奨荷重2.5kg(脚最大荷重10kg) 本体重量1060g
これは買ってよかった。高倍率マクロ用途としては使えないというか使うつもりはなかったのでいいのだけれど、どこかに出かけるときはこれを持っていくことが多い。
足がとてもよく「ツイストロック」という機構がたいへんいい。ひねって引っ張り出して伸縮させ、逆方向にひねると固定される。素早い展開ができるし簡単だ。
こんなに小さいのにエレベーターもついている。エレベーターポールを取り外すことで地面にぺっとりのローアングルにも使える。各部の剛性も大したもので、D850にズームマイクロを乗せた夜間撮影でも活躍してくれた。Z5になってますます軽快に活躍してくれている。
とても信頼性の高いミニ三脚で、わたしはこれをツーリング用の決定版としている。
『MANFROTTO befree one』
これはちょっとした旅行用。ツーリング用として導入したものなのだけれども、結果としてはベルボンのウルトラミニにその座を奪われた形となった。悪い三脚ではないし、なによりマンフロットのスタイリッシュな感じが気に入っている。
最もコンパクトにしたところで上のように足が反転してエレベーターポールと平行にして付属のケースに保存することができる。
伸ばすとこう。
このモデルは開脚レバーの赤いノブが金属で、とてもしっかりしている。レバーナット式の4段ポールを乗せた伸ばし切ると全伸高は130cm。アイレベルにはちょっと足りないが、これがもう40cmほど伸ばせればもっと活躍したのかな。と思わなくもない。
重量は1.35kg。最大耐荷重は2.5kg。アルミ三脚なのでまあまあこんなものだろうとう重さ。センターポールが伸びたまま短くできないので、D850とちょっと重いレンズだとバランスが悪く、ブレが収まらなかったのも痛かった。
センターポールが縮められないということはローアングルが撮れない。ということはなく、こんなアクロバチックな体制でローアングルもいける。とはいえこれを撮影で実際にトライしたことはなく、やはりこれはわたしの撮影スタイルに合わなかった。
だがモノはいい。出品しにくいサイズなので売るのも億劫なので、近く誰かにあげてしまおうと思っている。
『SLIK VARBON FIBER Light1704』
始めて買ったカーボン三脚。写真を始めてまもない頃で、これとマクロレンズがあればわたしもルースや鉱物標本をきれいに撮れるぞと意気込んでいた。現実はより深い深い高倍率マクロレンズ沼への一歩だった。
とはいえカーボン三脚で軽く使いやすく、パイプ径も21mmとそこそこ太い。重量は1.35kg。最大耐荷重は2.5kg。最大伸長は130cm。仕事で撮影があるときなどはこれを持ち出していたし、家のブツ撮りもこれを使っていた。
なんだかんだで万能に使っていたのがこのスリック三脚だ。D850とズームマイクロを乗せても十分な剛性があるので、ずっと家にいてもらおうと考えている。
わたしは基本的に自由雲台が好きなんだけれども、これだけは3WAYの雲台をつけている。とくに意味はないのだけれども、3WAYも使っておいたほうがいいかなくらいのお気持ち。動画を撮ることがあればこれを使おうかなと。
『GITZO CREMAILLERE 3 #407』
最大伸長172㎝。パイプ径32㎜のジッツオ3型。重さは測ったことがないけれど、少なくともこれを持って外出しようとは思ったことがない。完全家用の三脚だ。
これは中古で安く手に入れたのだけれども、前のオーナーも中古で手に入れたという話だ。さすが三脚界ではトップブランドのジッツオ。まったく壊れる気がしない。
それでもポールの伸縮部に砂を噛んでシャリシャリしていたので、一度すべてパーツクリーナーで洗浄してグリスアップをしたら驚きの使い心地になった。それまでわたしはロックナット式が苦手だったのだけれども、このパイプ径だとレバーは難しいかも。使い方のコツを掴むとこの三脚の伸び縮みがとても快適だ。
巨大なエレベーターはギア式でいかにも時代がかった仕組み。しかしこれがじつに剛健。自宅だと3段すべて伸ばすことはなく、伸ばして1段半。あとはこのエレベーターで高さを調節している。エレベーターポールを伸ばすとブレる。というのはこの重たい三脚には適用されなかった。けっこう遠慮なくエレベーターを活用させてもらっている。
雲台には前出のスリックのカーボンと同時期に手に入れたケンコーの『Kenko FP-100 PRO』自由雲台を組み合わせている。D850であればこれでバッチリ止まってくれる。Z5であればオーバースペックなくらいだ。この雲台は梅本製作所作成のOEMで、気持ちよくビタッと止まってくれる。これは当時思い切って導入してよかったと今でも思える装備だ。
現行だとジッツオはもうみんなカーボンになっているのかな。
うっかり沈んだカメラの沼。そこからマクロレンズ沼へと沈み、さらに高倍率マクロレンズ沼。対物レンズ沼へと沈んでいったわたし。その過程でちょいと片足を入れただけの三脚沼であったけれども、こうして列挙してみると感慨深いものがある。
これが風景や星景、野鳥などを撮る方だとまた底のない三脚沼。さらに雲台沼を味わっているのだろう。一寸先は沼だけれども、沼は楽しいから好きな沼にダイブしていこうよ。
[↑一脚沼。というのもあるようですよ!!]