マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

台湾旅行カバランディスティラリー探訪記

2023年12月に行った台湾旅行のメインイベントのひとつが『KAVALAN』蒸留所の見学であった。

カバラン蒸留所は「宜蘭」駅からタクシーで十分くらいの場所にある。そして宜蘭県に行くには台北から電車で一時間半ほど。電車のほうが早いが、バスのほうが圧倒的に安いので台北から高速バスに乗って向かった。台北⇔宜蘭まで電車だと高速鉄道で200NTちょい。バスだとその四分の一しないくらいなのでバス。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

台湾のバスは荒っぽいというし同行した友達もそういっていたのだが、わりかし安定していた気がする。到着までぐうぐう寝ていたのでよく覚えていないが、乗り心地はLCCの飛行機よりもよかった。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

しかし高速バスは駅直行ではなく、宜蘭駅からほど離れたステーションに止まるため、そこからさらに十分くらい歩く。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

歩きはめんどいけれども、台湾の町並みを眺められるのでそれはそれで。総選挙を前にこんな選挙事務所まで見られる。こちらも選挙のときはいろいろあるのだろう。それにしてもデカい。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

 

宜蘭駅に到着。なかなか趣き深い駅舎だ。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

でもどうしてキリン。

駅についたのが昼前くらいだったので腹ごしらえ。駅前の商店街で適当な店を見つけて飛び込む。

『東北角魯肉飯』という店。あたりの店だった。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

台湾ではあまり見ない「定食」があり、これで80NT!!(当時相場で360円程度)。煮玉子つきルーロー飯と魚団子のスープ。野菜の副菜がふたつと煮込み豆腐。こういうのでいいんだよ、こういうので。の台湾バージョンだ。普通にどれもおいしいし、尖った味ではないので万人に受けると思う。

 

腹を満たして宜蘭駅からカバラン蒸留所までタクシー。値段はちょっと忘れたが300NTくらいだった気がする。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

やはりウイスキーを作る場所は自然がいい。きっと水もいいのだろう。上の写真はビジターセンターで、ショップやカバランのショールーム。休憩所などがある。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

直営の高級ジェラート屋があるのでコーンのダブルを頼んじゃう。キャラメル味とウイスキーがけ。最高においしい。ここに来たらまずジェラートで喉を潤しておこう。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

 

ちょうど時期がクリスマス前だったので、ツリーイルミがたいそうキレイだった。さすがウイスキーマニアに注目されているカバラン。センスが光っている。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

2023年12月台湾旅行_カバラン編

 

さてここからカバラン職員によるミニツアーガイド。こちらは予約制なので時間に遅れると無慈悲なことになる。しっかり時間に余裕をもって待ち合わせ場所に集合すると…あれ、誰も来ない。

われわれの他に2組日本人の観光客がいたのだけれども、30分たっても誰も来ない。そのうちわれわれのグループが職員をつかまえて事情を説明し、他のグループがメールで事情を伝えてコンタクトを取ることに成功。ツアーが行われたのは45分後くらいの勢いだが、誰も怒らず穏やかに話が進む。日本人やっぱりおとなしい。よいことだ。

そして職員さんによるツアー開始。んん…日本語がちょっとあやしい。でもまあここに来る観光客なんてウイスキーマニアくらいなものなので、全員しっかりついてきている感じだ。

 

2023年12月台湾旅行_カバラン編

麦芽。実際に手で触れて感じられる。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

酵母なんて日本語そのままだし。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらはカバランの「ポートワイン樽」「バーボン樽」。2023年12月台湾旅行_カバラン編

「シェリーのフィノ樽」「ブランデー樽」での熟成。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

樽の中をチャコールするところの説明で「バーボンの樽はどちらのウイスキーの銘柄なんですか?」と突っ込んで尋ねる。当然機密なので教えてくれるはずがないのだが、何かうっかり漏らしてくれる雰囲気があったのであえて。やっぱり秘密だった。テヘペロ。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

熟成樽の種類と時間によって変わる色味の変化。やはりポートワインが一番濃ゆい色。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらは熟成によって減りゆく樽の中身のようす。いわゆる「天使の分け前」というやつ。水分子よりもアルコール分子のほうが樽から揮発する割合が多く、年数が経つと若干アルコール度数は減っていく。天使はきついお酒をお好みなのだ。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

これはマッシュタン。麦芽の糖化槽。ここから麦芽ジュースをすくって飲みたい。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらが発酵槽。麦芽ジュースからビールがかもされている。ここからビールをすくって飲みたい。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらがポットスチル。熱伝導率が高い銅の蒸留器でビールからアルコール度数の高いところを抽出する。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

ここがポットスチルから出てきたアルコール度のつよつよ液体がはじめに取り出されるところ。ここで始めの荒々しい酒精のところだけはじいて、クリアになったら「通ってヨシ!!」する。荒々しいところをすくって飲ませてください。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらが樽に詰め込んだウイスキーを熟成する保管庫。上部と下部では温湿度が微妙に違うのでたまに席替えをして均一に熟成が進むようにするよ。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

こちらはウイスキー用ではないけれども連続式蒸留機(だと思う)。まだ売り出していないがカバランがジンを作っている設備。なんとカバランジン!! これは楽しみ。

2023年12月台湾旅行_カバラン編

という具合にツアーが終了。

 

2023年12月台湾旅行_カバラン編

最後はお楽しみ。試飲タイム。こちらは有料だが最大四種類の試飲ができる。おそらく今売出している推しのウイスキーを選べるのだが、もちろん四種類すべてをチョイス。お水はカバランのおいしい水だ。

 

なお、試飲チケットはそのまま物販コーナーで割引券になっているので心憎い。すべて使い切っていこう。

試飲後、ガイドしてくれた方が「本日は不手際まことに申し訳なく…」と挨拶に来てくれた。日本語がちょっと怪しかったけれど、本来は日本語がもっと堪能な方が来る予定だったけれどもいろいろあっての代打ちだったとのこと。

ウイスキーを飲んでいい気分だし、そんなことで怒る参加者はひとりもいなかった。皆ニッコニコであるし、説明もウイスキー好きなら理解できる内容でしたと本当のことを話す。

するとカバランのオリジナルコースターとピンバッジをいただいてしまった。むしろラッキーでは…? と皆思いながらおみやげを買うのだった。

KAVALAN

帰りは職員の方にタクシーを呼んでいただくなど、ホスピタリティマックスな体験だった。しかも駅までの料金定額300NTで話をつけてくれた。なんていいところなんだ。また行きたい。

 

日本に帰ってきてからミニボトルや試飲量の試験管型カバランがおみやげに大人気。足りるだろうと思ったら速攻なくなってしまった。今度は自分のぶんも含めて三倍は買いたい。現地買いだとやはり日本で買うよりぜんぜん安い。税関が許してくれるだけ買っていきたい。

KAVALAN

 

自分用には『KAVALAN Distullery Select No.1』をゲットした。

KAVALAN

日本で買うと5000円は超えてしまうのでなかなか買えない。

KAVALAN

今こうしてブログを書きながら飲んでいるが、とてもいい。こってりだけれど華やか、トロピカルフルーツの香りとトフィーの甘い焦げた香りもある。スモーキーさはほとんど感じない。しばらく空気にさらしておくと甘みが増す。ロックなどでキリッと冷やすとトロピカルフルーツの香りが冴え、苦味も強く感じる。飲み終わって完全にグラスからアルコールが飛んだところを嗅いでみてほしい。バニラの香りがすごくよくわかる。

ストレートは基本。しかしロックでも水割りでもぜいたくにハイボールでもいいバランス型。日本のウイスキーに近い。サントリーの華やかさとニッカのコクの中間で、そこに酸味を含んだトロピカルフルーツを加えたようなよさがある。ハイボールで飲むと炭酸の酸味と、フルーツ香が驚くほどにマッチする。

確かにこれは評判なだけある。おいしいし、飲み方のバリエーションを楽しめる。

石、猫、酒と散々ブログでネタにできた台湾旅行。全力でエンジョイしてきたよ。国と国民どうしの友好関係が良好な隣国というのは世界でも稀なケースなので、大切な隣人としてこれからも遊びに行かせていただきたいもので。

 

macro-style.hatenablog.com

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===おまけ===

台北ではさほど見ないビンロウのパッケージ。具合悪くなりそうだからこちらはまだ未体験だしたぶん体験せず人生終わりそうな気がする。

2023年12月台湾旅行_カバラン編