マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

含ウラン鉱物

Autunite
Locality:spokane,daybreak / America
FOV:2mm
Nikon D90 / bellows / Tominon 17mm F4


アメリカはワシントン州、スポケーンよりお越しの燐灰ウラン鉱さん。
もう名前のとおりウランを含むリン酸塩鉱物。
ウラニウムを精錬する主要鉱物さんです。


本邦ではすっかり嫌われ者になってしまった放射性物質ですが、
厄介なのが放射線を出し続ける期間。半減期
ウランなどは数億年から数十億年といわれる半減期で、
未だかつて人類が素粒子の崩壊を見たこともないような存在です。


なのにこの燐灰ウラン鉱ときたら…
Ca(UO2)2(PO4)2 · 10-12(H2O)という複雑な化学組成なのですが、
後半にご注目下さい。(H2O)とありますね。
これは結晶に水。結晶水という状態で水分が取り込まれていることを意味します。


どういうことかといいますと、この結晶水が抜けてしまうと色が不透明になり、
結晶も脆くなってしまうというシロモノです。
ただでさえ脆い標本なのに保存と扱いが難しいときています。
なお、わたしはこの撮影で良好なふたつの結晶群のうちひとつが、
使いすぎたいのりのゆびわみたいに崩れ去りました…
半減期はあんな長いくせに…!! みたいな。


この石の放射線じたいは大したことはありません。
わたしが購入した業者は5μSv/hと説明をしておりました。
いちおう釣り用の板おもりを貼った金属缶に入れて保管していますが、
真に気をつけるべきは体内被曝です。


取り扱いのさいには直接触れないようにして、
微粉末を体内に取り込まないようにするべきです。
α線は強力ですが紙一枚でも止まります。
しかし体内に入ると遮るものがないので危険です。
念には念を入れた取り扱いをしたほうがいいでしょう。


なお、一番下の写真は紫外線で蛍光した同標本です。
美しいグリーンです。これが見られるから含ウラン鉱物はたまりませんね。
蛍光前もレモンピールの砂糖漬けみたいでなかなかです。
口にする気はおきませんけれど。


Autunite(Fluorescence)




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[↑放射線測定器ほしいなー]


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