D610/bellows/TOMINON 75mm F4.5
モロッコ Bou Azer産
FoV=25mm
コバルト華。というのはすごくマニア向けな鉱物標本かもしれない。
英名のERYTHRITE(エリスライト)はギリシア語の「赤色」を意味する「エリスロ」からきている。
和名のコバルト華はコバルトを含む鉱床に、
母岩の表面に咲く華のように現れることから「コバルト華」とつけられた。
英名、和名。いずれも綺麗な響きの鉱物だ。
D610/bellows/TOMINON 35mm F4.5
FoV=10mm
赤紫の結晶はシャープで美しく、けれども硬度は1.5~2.5と低く硬さの質もまちまち。
石膏とよく似た形状と性質で、大きな結晶ならばナイフでさくさく切れる。
このことから宝石としての利用は絶望的だ。
産業利用としても、コバルト鉱床の規模の目安となるだけで、
コバルト華そのものは産業に利用されない。
共生することがある輝コバルト鉱くんや、スマルト鉱さんたちは金属原料として採掘されるのに
コバルト華は美しい姿にもかかわらず、産業価値のある他の鉱物の目印にしかならない。
その妖しく濃い赤紫の姿を、一部のマニアに愛でてもらうのみ。
わたしも鉱物マニアのはしくれとして、精一杯の愛を込めて撮影するだけだ。
D610/bellows/TOMINON 17mm F4
FoV=6mm