Potosi Bolivia
D610/bellows/FUJINON-M 1:7 f=50mm
FoV=22mm
情熱あふるる南アメリカ大陸の国、ボリビア。ポトシよりお越しの藍鉄鉱。ビビアナイトさん。
その筋の者の間ではビビアンちゃんと呼ばれ親しまれている鉱物だ。
写真のビビアンちゃんはうっすらとしたブルーグリーンが見られるのだけども、
これはすでに大気にさらされて酸化しはじめている。
母岩は褐鉄鉱/リモナイトだけれども、この茶色い岩から掘り出されたばかりの
ビビアンちゃんは無色透明だという。
それが急速に酸化していきブルーを噛んだグリーンを経て藍色になっていく。
おそらく和名の藍鉄鉱の『藍』は、この酸化した色を見て付けられたのだろう。
ビビアンちゃんの産まれたままの姿を保てなく見られるのは、採掘したものだけの特権なのだろう。
硬度は1.5~2。劈開は完全。
しかも酸化が進むにつれて劈開面から剥がれてささくれていき、
最終的には結晶を保てなくなりアモルファス化してしまう。
つまりはいっそう脆くなっていく。
なんともコレクター向けな鉱物で、その姿は凛々しくも儚い。
塩酸や炎に触れると溶けてしまうというから、その姿も一度見たいけれども
もったいなくて実行したことはない。
撮影から終わったらそそくさとジッパーつきのビニールに、
シリカゲルといっしょに保管する過保護さだ。
とはいえわたしも石の扱いは上手ではなく、いつか壊してしまいそうだ。
酸化とどちらが早いか、わたしも石も気が気でないところだろう。