もともとわたしは原石標本派で、子供のころから光モノが好きだった。
学生時代はほとんど原石ばかりを収集していたけれども、
あるときこれを保管する場所が破綻してしまった。
原石は大きくてかさばって場所を取る。
さんざん集めておいてから悟った真実であった。
泣く泣くいくつかのコレクションのみを手元に残し、
しばらく石からは遠ざかって、読書趣味を満喫させていた。
が、しばらくしてルース(裸石)を集め始めた。
きっかけは何であったろうか?
じつはよく覚えていない。
ミネラルショーで変わった模様のアゲートをカボッションにしたものを
手にしてからのような気がするけど、
はっきり思い出せない。
ただ、ルースはかさばらず、またレアストーンでも手ごろな値段でそろえられる。
ルースをすべて、小さな3x3のルースケースでまとめて管理をするようになり、
第二次石ブームがわたしに舞い降りた。
某SNSを通じて知り合った石友と出会ったのも大きい。
これが酒も猫もイケるクチで、しばらくオタ話にことかかない友人となった。
こやつとは一生テキトーな距離感でオタ趣味を語れるな。
と思わされてからは、かなり影響を受けたものだ。
その友がカメラも趣味であったことから、わたしもルースと猫を撮るようになった。
面白いことに、今まで石を撮る。
ということにあまり関心がなかったのだ。
オタク気質のわたしはこのカメラというものにまたたくまに虜となる。
カメラ。といってもわたしが沈んだ沼は「マクロ沼」であった。
マクロは石どもをキレイに撮るために必要な技術であった。
コンデジからデジタル一眼レフに移行するのも時間の問題であった。
はじめは1cm以下のものを大きく撮れずに悩みもしたけれども、
今ではずいぶん思い通りに思い通りの倍率で撮れるようになったもので。
○○歳でまだなお新しい趣味が増え、
かつそれが既存の趣味とリンクしていくというのは、
年齢にかかわらずドキドキする体験ですなあ。
そして、1mm単位のものでも大きく写せるようになったとき。
わたしの引き出しには鉱物標本がふたたび身を寄せ合うようになった。
マクロ技術があれば、ちいさな標本でも十分美しさを鑑賞できるのだ。
趣味が趣味を呼び、かつての趣味まで呼び戻す。
ああ、すべてのオタク人生に幸あらんことよ。
下記写真は鉱物標本とルースを集めるようになった記念碑的一枚。
アラゴナイトの標本の上に、メキシコのファィアオパールを置いてパチリ。
ふたりともどこか嬉しそうだ。