使えるジャンクレンズを抱えて町を歩く。すると現れてくる猫一匹。
撮らせてくれるのかと思って近づけばつれなく横切っていく。
しかしこの猫。わたしも仔猫のころから見ている猫だ。
いくつかの作法があることを心得ている。
そうら、今度は逆サイドから目の前を横断し、間合いは近づいてきている。
横の動きに目が慣れたところで急激な縦の動き。
しゃがんだわたしの膝小僧に頭をこすりつけに来る。
こうなればもう、こんな無防備な姿だって撮れちゃう!!
頭こすりつけ&わたしの撮影が一段落すると、
ごろりと横になって次のパートに入る。
これもお約束でありお作法だ。
この伸びが「腹を撫でてもよし」の合図。
ここで撮影は一時中断するのが礼儀であり、必要な流れだ。
フカフカの腹をやさしくモフり、額や首元をやや強めに掻いてあげる。
首から尻尾の付け根あたりにかけても手を抜くことなくグルーミング。
そしてまたフカフカの腹に… これを繰り返すこと数セット。
しばらくすると猫様、自らのベロでグルーミングを開始する。
ここらが引きどき。わたしも最後に一枚撮らせてもらい、会釈して立ち去る。
猫との通じ合いには個体差があるが、つかず離れず心得た間合いを保ちたいものだ。
ああ、そうそう。
レンズの作例でもあったので、一応。
撮影はすべて開放f/2.8。接写領域になると周辺が流れたりひきつれたりするが、
これはなんというかご愛嬌でもいいと思える。
むしろ、開放だというのにこれほど撮れるならよし。
前回の夜景では気が付かなかったが、四隅がケラレている。
はてと思ったが、ジャンクレンズのために前玉を保護する、
本来はスレッドのある場所がむき出しになっている。
そのためガラスを抜いた保護フィルターを二枚重ね貼りして強度を出しているのだが、
これがいけなかったらしい。
一枚でも十分な強度が出るよう、もう少し考える。
まずは可逆改造でようすを見ているが、これでいいとなったら、
接着も含めた不可逆な改造をして使うことにしよう。