マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

インドの中沸石/メソライト

Mesolite

Kannad Aurangabed Maharashtra India
FoV=25mm
D610/Bellows/TOMINON 50mm F4.5

 

日常に使う家電のことを『白モノ』ということがある。そうした日々のものに使う色は白が多い、ということかどうかは知らないが、家電というのはとにかく白いという時期があった。今は家電にもカラーバリエーションが多く、すでに死語となった感はある。

家電はともかく、鉱物愛好家の中には沸石一般のことを愛嬌半分、からかい半分で『白モノ』と呼んだりする者がいる。わたしも誰かを煽るときにたまに使う言葉だ。それほど沸石というのは白っぽい。しかも完全に透明なものはあまりない。もちろん例外はある。

はじめてこの石を見たときは何かと思った。鮮やかなオレンジ色の針状結晶の集合体。ずいぶん前にインドで採れたらしいが、今はもう絶産なのではなかろうか。ラベルには「もしかするとソーダ沸石かも…」という言葉もあるが沸石であることは確かだ。

ただ気になるのは、一時期インドからはオレンジ色をした着色オケナイトが出回っていた。その印象もあり、着色疑惑が頭を離れない。

ラベルには「おそらく着色ではない」とあるが、きっと書いた人も白モノ沸石グループにしては、この鮮やかさが気になったに違いない。

少なくとも十数年前に出回っていたものなので、着色オレンジオケナイトの出回っていた時期とは一致しないのが救いだ。

写真に撮って拡大してみればわかるかもしれない。というわけで全体像の撮影範囲25mmと10mmのものを撮った。

よくよく眺めてみたのだけれども、わたしにはよくわからなかった。着色だとすればかなりの技術だ。そして、それほど高くもない沸石にそこまで手をかける意味も少なかろう。

謎標本は手に入れて、観察して、撮影して、考えることで何度も楽しい。ひとまずはラベルを信用することにして、わたしはこの沸石を愛でるのだった。

Mesolite

Kannad Aurangabed Maharashtra India
FoV=10mm
D610/Bellows/CANON MACRO PHOTO LENS 35mm 1:2.8

 

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