青森県つがる市出来島海岸
FoV=56mm
D850/Ai-s Micro-Nikkor 55mm F3.5
石フリマでは不透明、半透明、まだらに透明という具合の石ばかり買ったのだけれども、この黒曜石はちょっと嬉しかった。国産黒曜石はひとつ持っておきたいと思っていたし、青森という場所は少し思い入れがある。
上の写真は斜め上から光を当てた落射照明だけれども、黒曜石は透過光で化ける。
タブレット画面を白一色にしてその上に黒曜石を置き、撮影する。
すると見えてくる異界の景色。
清水に墨汁を一滴垂らしたような流れが見えてきた。
日本の鉱物は全般的に控えめな色彩が多いが、黒曜石のこの様子は枯淡そのもの。
水墨画のわびさびと鉱物の愛らしさが同時に愛でられるお得な一石だった。
はるかな昔。この石は打製石器として、斧やナイフなどの刃物として使われた。火山岩のひとつで、主成分は二酸化ケイ素。天然のガラスのようなもので、これを叩き割ると鋭いガラスナイフが得られる。
ガラスナイフは今でも生物組織を壊さず試料を切り出すために使われる。現代でも現役で通じる刃物となる。
隠れた美しさと切れ味を秘めた石だ。
こういう石を好きになる自分がわずかに誇らしいとともに、ひとまず透過光で観察するのは石マニアのお約束であると再確認。
[↑黒曜石という名前の美しさにも注目していきたい]
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