D610/bellows/BELLOWS-TAKUMAR 100mm F4
FoV=48mm
マダガスカル産
事あるごとに口を酸っぱくしていっているのだけれども、鉱物名は美しい方がいい。
「バラがキャベツという名前だったらあんなにいい香りはしないわ」
と、アン・シャーリーだってそういっていた。
というわけでこちらはマダガスカルよりお越しの、甘い刃の水晶。シュガーブレイドクォーツさん。
鉱物界の人気ナンバーワンらしく、水晶には色や形の違いでさまざまな異名が存在する。正直誰がつけたのかもわからず、一部はパワーストーン商売のために過度な装飾をつけられた名前もある。
しかし『シュガーブレイド』は見どころのあるネーミングセンスだと思う。
先端部の錐面と稜線だけがすらっとしており、柱面には鱗のようにちび水晶がぎっしり。なるほど、錐面を刃物に見立て、その他の鱗状のところを砂糖のようだと感じたのか。その感性たるや賞賛されるべき。
仮に、わたしがこの水晶を命名するのであればどうしただろうか。
パッと見で思いついたのが『宇宙船』だったので『スペースシップ・クオーツ』としただろう。うん、やっぱり『シュガーブレイド』にはかなわない。
鉱物名の正しい名前はひとつではあるが、コマーシャルネームについては本当の名作しか後世に残らない。その石にふさわしい名前が与えられますように。
[↑シュガーといったらベイビーorオルガンの音]