マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

最も希少レベルの宝石? グランディディライト

Grandidierite

Madagascar
FoV=14mm
D850/Bellows/NIKON MM-Serise Object Lens 3x

 

2014年から2015年にかけてだと思う。それまで実物を見たこともないし、書籍でもほとんど見たことがないグランディディエライトの原石がオークションで出回った。宝石質ではないくすんだ長石のようなもので、サイズも小指の爪ほど。しかしその濃いブルーグリーンは特徴的で、あまり見ない色であった。わたしは当然入札し、サンプル程度の気持ちでいくつかの原石を手に入れた。届いた原石をしげしげと眺め、これは大きい波が来るのではと感じた。

というのもグランディディライトは「宝石としてカットできる」石の中では最上級に希少とされていたからだ。2010年くらいまではターフェアイトやペツォッタイトといったものと並んで「最も希少なコレクターストーン」と呼ばれ、カットしたものはダイヤモントを越える価格で取引されていた。

そんな石がふいに庶民コレクターのわたしでも手が届くところに来ていた。何か大きな動きがあるに違いない。それから数年がたち、数は多くないもののグランディディライトの原石、ルースともに市場に出回り始めたのだ。そして念願の。というにはあまりに遠い石だったものが、こうしてルースの状態でわたしの手元に来るまでになった。待って見るものだ。今では「最も希少な」とはいい辛いが。

写真を見ての通りグレードは褒められたものではないけれど、グランディディエライトらしいブルーグリーンの石だ。どうしてこの石がコレクターストーンとして希少だったか? というのは諸説あるけれども、ターフェアイトやペツォッタイトといった石に共通するのは「硬度が高いこと」。

一般的に指輪やネックレスといったアクセサリーにするときの硬さの基準は水晶といわれている。硬度は7。この指標はガラスや鉄に傷をつけられること。つまり一般的に触れるものより硬いことだ。もっとも割れやすさなどは硬度とわりと無関係なので、扱いには気を使う。

グランディディエライトの硬度は7.5。ターフェアイトやペツォッタイトたちも硬い。レアストーンでおなじみフォスフォフィライトがレアであってもアクセサリーとして不人気なのは硬度の問題がある。といっても、世の中には「石はルースケースに入っているときが一番かわいい」という向きもあるので、一概に希少性は語れない。なにしろわたしもルースケースに入っているときの石が一番好きだからだ。あくまでそういう派閥がある、とだけ思っていただけると。

流通が消えていく石もあれば増える石もある。石好きとしては手の出る範囲で今後もアンテナを高くしていきたい。新鉱物、新産地。まだまだこの地球には楽しい石がぎっしり詰まっているはずだから。

 

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