ある日いつものように脳内フィルターゆるゆるでSNSに呟きを重ねていたところ、薬用酒の話題が流れてきた。そこにわたしは「あの手のお酒は甘いのがダメ」と愚痴を漏らしたところ、すぐさま酒クラスタによる提案がもたらされた。「ウニムク。おすすめ」と。その日のうちに注文。信頼の酒クラスタ。
どうせならとグラス付きのものにした。ぼってりした高台付きショットグラス。安定感があるし丈夫そうだ。今日という休日のおともにいただきます。ついでに写真も撮っておこう。
ウニムク(ハンガリー語でUNICUM)は1790年に作られたリキュールで、これを飲んだ皇帝が「これはユニークだ!」と評したことから名がついたと。原材料は明らかにされていないが、薬用健康酒として(亡命騒ぎや偽レシピ騒動などいろいろありながら)現代まで伝統のレシピで作られているのだという。しかし日本の公式サイトを覗いてみても、具体的にどうした症状に効くのかがわからない。薬事法などの関係で効能をうたえないのかもしれない。
瓶がいい佇まいだ。酔漢がこれを持って暴れやすそう。という失礼な雑感。
昼からじっとりと試飲。
…おお。これは辛口。リキュールとしては超辛口。わずかにエキスを出すための糖分が入っている。たれども一口目の印象では気づけなかった。まず口に含むとシナモンを中心としたスパイスの香りと何由来かゆくわからない苦味がドンと来る。アンゴスチュラビタースっぽい苦味がある。リンドウか?
色は黒糖色。リキュールとしては超辛口に部類されるけれども、それでも甘さはある。養命酒にくらべれば半分程度の甘さという個人的官能評価。イェーガーマイスターより辛い。しかし甘さを覆わんばかりのスパイスの刺激が甘さを感じさせない。
苦いというけれどもセンブリ茶に比べればそこまでではない。蒸留酒慣れしている人間ならショットでグイグイいけそうだけれども、薬用酒の飲み方ではない。食前食後、ナイトキャップの利用を推奨しているので、健胃効果やリラックス、安眠が期待できそう。苦ければひとまず胃にいいってイメージ。
これなら一本飲みきれそうだ。これまでどれだけの甘~いリキュールを棚のこやしにして捨ててしまったことか… そのうちリキュールを買うのをやめてしまったわたしの再デビュー。しばらくは寝る前に一杯のお供になりそうだ。
[エキス分がない薬用酒を求めてビターズゴクゴクは健康に悪いかな?]