ちょっと前に、友達からもらって冷蔵庫に入れっぱなしにすること数年のスパークリングワインをあけたときのこと。
最後の一杯をグラスについだとき、「トポン」という音と共に何かがグラスに落ちた。
それをつまみ出して乾燥させたものがこちら。
これが世にいう『酒石酸』の結晶なのだろうとびっくり。
ウェブで画像は見たことはあるものの、自分で見るのは初めてだった。
こりゃ面白いということで、マクロ大好きなわが家でかもされたのが命拾い。
これはいい被写体だということで、そのままティッシュに取ってしばらく防湿庫で乾燥させたのち、ルースケースで保管されることとなった。
こちらが酒石酸結晶のアップ。
FOV(写っている範囲)は4mmくらい。ひとつの結晶集合体がほぼ1mmだ。
うすーい板状の結晶が放射状に集まっているのがわかる。
よく見れば透明なところもあり、赤い色はワインの赤色が移ったのかもしれない。
この酒石酸はおそらくナトリウムとカリウムを含んだもので、本来は透明なもののはずなので間違いないだろう。
すぐに水洗いすればもうちょっと色が落ちたかもしれないけれども、数年冷蔵庫で色づいた結晶の色はなかなか落ちまい。
もらった友達には悪いのだけれども、高いワインなどについてはあまりこの結晶は出ない。
というのは、酒石酸は渋みや酸味を感じる有機化合物だけれども、いわゆる「よい味」という評価があまりない。
合成品が世の中にあるものの、ほとんど工業的には使われることがない化合物。
なので、高級なワインは一度ワインを低温保存してこの酒石酸を取り除いてからボトリングする。
こうすることによって雑味を取り除くことができ、わたしのようにグラスにつぐとき「ドポン」と無作法な音を立てることもない。
とはいえわたしにとっては面白い発見だった。
今回はロゼのスパークリングワインだったけれども、
また違うワインを冷蔵庫で数年保管しておこうかとも思わせる。
今度は水洗いしてより透明感があるのを造りたい。
あ、ワインはおいしかったです。
ひとりで750mm一本一晩で飲み干しました。
ごちそうさまです。
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