Koroit Queensland Australia
FoV=24mm
D610/bellows/Macro-NIKKOR 65mm 1:4.5
まず、前に紹介したボルダーオパールの原石を見ていただきたい。
通常、オパールの原石は水に濡らして撮影する。そうすることによって、カサカサした感じがなくなり遊色がいっそう輝くからだ。けれども前回の原石はあえて水に濡らさなかった。オーストラリアのオパールがどれだけのポテンシャルを秘めているかを知ってほしかったからだ。
今回の写真はオーストラリアはクイーンズランド州、コロイトよりお越しのボルダーオパールのカボションカット。これはノンヒート、ノントリートの無処理石をカットしてポリッシュのみした石だ。スタビライドなどせずとも、ここまで艶っぽくなる。
石の大きさはさしわたし17mmほどと小さいのでルーペや拡大撮影は必須。遠目から見ると「何か茶色い石だけどキラキラしている」というくらい。この石は寄って眺めてはじめてその美しさがわかる。まさしくマニア向けのオパールといっていい。
鉄を含んだリモナイトの褐色の空隙を埋めるように、マルチカラーのオパールがあちこちに光り輝く。もっと上級のコロイトオパールだと、くるくるとしたこの遊色の脈がみっしりと詰まって、それはもうため息ものだ。
産出も少なく、無処理でルースにできるものはさらに少ない。そして、残念なことにボルダーオパールは伝統的に“焼き”の処理が確立されているため、望んだものを手に入れることができないこともある。
石の歴史はその背後に後処理の歴史がある。火入れ、酸焼き、含浸、漂白、染色、貼り合わせ、模造品。今では放射線による処理や、元素拡散といった方法まである。素人でも判別できるものから、専門施設でも見分けがつかない後処理までいろいろだ。
というわけで『オーストラリアのボルダーオパール その3』は、後処理されたボルダーオパールについて書きたい所存。
[↑許せる処理と許せない処理のボーダーが人それぞれで面倒とか思ったフレンズ]