しばらくブログに手をつけていなかったけれどもわたしは元気です。七月中はコロナウイルスにかかわる対策で余計な手間と気力を削がれ、仕事から帰るとTウイルスに感染したみたいになってました。
活動したいのにするわけにはいかない。本当に、元気のある死体というのは厄介なものだと思わされ。
それでも社会活動、経済活動を止めるわけにはいかないのでお仕事には行くし、迫害されない程度には余暇を楽しむのだけれども、何をするにも「なんだかなぁ」という気持ちが強く、いきおい仕事以外は家事でうっぷんを晴らしがちになった。
そんな中、ベランダで十数年がんばってくれていた樹脂製のバケツが逝った。この夏の強烈な紫外線に耐えられず、ボディがパリパリと割れるようになってしまった。ありがとうポリバケツ。そしてようこそすずらんバケツ。
『まるか すずらんバケツ(プラ底輪付き)』
材質 本体:溶融亜鉛メッキ鋼板
持ち手:亜鉛鉄線
にぎり部:ポリプロピレン
底部:ポリエチレン
容量(L):約11
サイズ:13型
質量(g) :約640
寸法(直径Φ×高さH)(mm):約315×245
いわゆるトタンバケツ。近代から本邦のバケツといえばコレ。
どんな庭にもベランダにもスッと溶け込むこの佇まい。夏は清涼感三割増し。
オールトタンのモデルにしようと思ったけれども、ベランダの床にキズが入りそうだなあと、ポリエチの底輪付きモデルにした。なんでも学校などでも使われるモデルだそうな。
スパングルと呼ばれるトタン表面の花紋。この模様は亜鉛鉄板が冷えて固まる過程で現れる結晶構造で、冷えていく時間で花紋の大きさが変わる。なにそのギミック。知らなかった。
金属の安定感は樹脂では得られない。ポリバケツのときはいつか取っ手がメキメキと崩壊して、そこらに水をぶちまけるのではという心配がどこかにあった。結果、取っ手のような厚みがある場所よりも、側面の日当たりがよく素材が薄いところが紫外線で脆化したわけだけれども。
このシンプルな構造を金属で作ってくれればもう心配いらない。握り手のところはプラであるものの、金属と違って日差しで熱々にならないし、冬の寒い日でも手が凍えない。さらに水を吸わないのでカビたりもしない。こういうところはプラでよし。
さっそく水を張ってベランダの掃除をした。室外機に水を。バケツから柄杓ですくって植物どもに水を。隅に溜まったホコリどもを打ち水で流し去る。実に使いやすい。
バケツの中に水が入っているとそれだけで何か映える。無機質な金属に水ではない何かが注がれた様子だ。ここに茄子だのスイカだのを浮かべれば心理的冷房効果も強まるのではと思ったけれども、有望な素材がなかった。ピーマンやニンジン、キャベツでは何か違う。夏が足りない。
[ベランダに水栓ないのでいつも風呂から水汲んで自室を横断する緊張感]