マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

わたしの緑簾石はスゥイースランドのよ

 

Epidote  Gneiss quarries Arvigo, Calanca Calanca Valley Moesa Region Grisons Switzerland
FoV=10mm
D850/bellows/Macro-NIKKOR 65mm f/4.5


きれいな湖水のほとりから来ているかわわからないですけど、スイスよりお越しのエピドートさん。緑簾石という和名も宇治抹茶的な響き味わいがある。

ところでずいぶん昔にこのブログに違う緑簾石が出たことがありました。あのときは水晶を引き立てるための死に役でしたが。

きれいな湖水のほとりから来たか定かではない。というのは半分本気で、海外よりのマイクロマウントあるある。ラベルの癖字で文字が読み取れない。確実に読み取れるのはArvigoとSwitzerlandだったので、細かいところはさまざまな類推から。でもまあたぶん合っている。

この石はこれまで何度か撮ったけど、なんかピンとこなかったりスタッキングが破綻したりで今回四度目のトライでようやくお目見えした。今までアプローチしていた構図のなんと真裏からの撮影。

山脈のような緑簾石の連なり。やっぱりこの石は湖の近くではなく、スイス小槍の上でアルペン踊りを舞いながら見いだされたに違いない。あれ、歌が違う。

マイクロマウント鉱物標本の撮影の基礎は観察にある。わたしがたいそう苦手な観察だ。

撮影する前にどれだけルーペで観察するかで、撮影するベストな構図を事前に決めることができる。できれば撮影時間と同じくらい観察の時間を割いたほうがいい。わたしはせっかち気味なので、せいぜい十分くらいのルーペ観察だ。今回は実体顕微鏡も出張って観察しまくったけど。

早く撮りたいと思えば思うほど写真の満足率が下がる。最近そんなことがなんとなくわかってきた。しこたま鉱物観察用のルーペを集めまくったのがよかったのかもしれない。前よりも撮影前の観察や、そもそも観察するだけの時間が増えたのは間違いない。

どうして写真を撮るんだろう。

そんな青い自己問答など考えたこともないけれども、写真を始めたのは石の細かいところまで覗き込んでみたいという思いが常にあったはずだ。写真の前にまず観察があった。

微動装置と高解像のカメラとレンズ。コールドスポットライトに深度合成ソフト。それらを一度わきに避けて、ルーペひとつで。なんなら肉眼で長め、手で触れて、許されるなら嗅いだり舐めたり一緒に寝たりするべきなのかもしれない。確かに石に馴染み始めはそうしていた気がする。

正解はなくてこれを繰り返していく。また同じ場所だと思ってもそこは螺旋階段のひとつ上の。あるいは下の同軸にいるのかも。指先ほどの石を眺めながら思索はぐるぐる上へ下へ参ります。

 

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[スイスランド。昔はスイーツランドだと思ってた]

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