Madagascar(natural)
0.75ct
NIKON Z5 / NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
カーネリアン。という鉱物の名前は出来すぎている。語感がきれいすぎる。和名では紅玉髄。これも雅だ。歴史的なスタートダッシュをキメた鉱物たちの名前は、人類がキメキメにキメ散らかした美麗な名前を附されている。
そんな既得権益みのあるカーネリアンだが、一般的な評価は微妙。さほどレアではないのだ。数珠だ印鑑だとわりとカジュアルな用途に使われることが多く、こうしてひと粒のルースに仕立ててくれることが珍しいほどだ。
炎のようにクリアなオレンジはこうして見ると悪くない。悪くないどころかかなりいい。しかも宝石として大事な「硬度」も6-7と硬く無劈開。かまりキラキラしないのは確かだけれども、現代では古代人たちほどこの石に価値を見出すものは少ない。
あまりお金のことを話題にすると下衆い感じがするし、実際わたしもそう思っちゃうところがある。けれども言わずにはいられない。この石は「安っぽい」のではなく「安い」のだと。
この石もどこかのミネラルイベントでルースケースあわせて500円くらいで買った気がする。たまに、これくらいの値段の石があるととくに何も考えず買うことがあるのだけれども、これはとてもよかった。
ときに思い返してルーペでしげしげと眺める。位置を変えて、光源を変えて、気分を変えて眺める。
すると現れる縞模様。この石は紅玉髄であり瑪瑙でもあった。
石好きでありマクロ好き人間として、こうした気付きはとても尊い。
[エイリアンはカーネリアンに入りません]


