ビッカーズといえば四角錘のダイヤモンドを物体に押し付け、できた窪みの深さで硬度を測る基準でおなじみですが、こちらは対物レンズ。
じつはレンズの額面どおりの情報以外は何もわからない。
硬度でおなじみビッカーズと関係あるのかもわからない。
シャープな金属鏡筒とターコイズブルーのラインがなかなか端正で、高倍率撮影のときにときおり出番がある。
ワーキングディスタンスが1mmあるかないかなので、これを出すときは覚悟が必要だ。
倍率は20倍。開口数は0.5と表示も必要最低限のみ。
開口数とはカメラレンズでいうところのF値みたいなもので、
この数値が高ければ高いほど明るく解像能が高く値段も高いです。
ただし、レンズと資料の間にあるもの。媒質が空気の場合、理論的に開口数は1.0が限界です。
それ以上の開口数を持つレンズもありますが、これらは液浸用で、媒質に屈折率の高い油や水などを使います。
対物レンズをカメラにとりつけて撮影というのは顕微鏡を使っている者からすると、そうとう乱暴なことらしいのですが、ベローズを伸ばすのにも限度がありますので高倍率マクロ者は対物レンズも使わせてもらいます。
これから対物レンズを使うカメラ撮影を考えている方は、下記みっつ気にかけておいたほうがいいでしょう。
ひとつは間違えて液浸用レンズを買わないこと。
ひとつは無限補正対物レンズを買わないこと(ピントが出ません)。
ひとつは対物レンズに適合するマウントアダプタを手に入れること。
※無限補正の対物レンズは、結像レンズを使えば撮影用にでき、高解像性能となるものもあるようです。
アダプタについては長くなりますので今は割愛します。
ネットの海を調べれば、独学でもかなり調べつくすことはできると思いますが、詳しい人からたずねるのが一番ダメージが少なくてすみます。
わたしも詳しい先達の方々から学ばせていただきました。
対物レンズには、ときおり絞りつきのものがあります。
こちらはカメラ撮影を視野に入れて作られた正真正銘のマクロレンズです。
今では作られていませんので、もし見かけたら手に入れておきましょう。
わたしも狙っているのですが、なかなか予算とつりあわず…
というわけで長々語りましたが、こちらのビッカーズ対物レンズの写りはといいますと…
実はどの写真がこのレンズで撮ったものか忘れてしまい、サンプルありませんorz
そのうち作例を載せますのでごめんしてください。
もちろん深度合成前提ですが、対物レンズとしてはなかなか周辺までキレイに写り、シャープであったと記憶しています。
シネレンズも対物レンズもそうなのですが、ちいさくて高性能を秘めていると思うと、ついつい集めたくなりますよね。
現在の顕微鏡対物レンズのいいやつはほとんど無限補正なので、わたしとしてはちょっとつまらないです。
古い、たたずまいのよいレンズを財布の許す範囲でしみじみ集めていきます。
撮影 D90/TAMRON 90mm/F2.8MACRO(272EN II)
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[↑対物レンズ撮影は正直しんどいです]
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