マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

謎の工業用(?)レンズ。フジノンM

以前こちらでも紹介した『フジノン-M』という『Mシリーズ』ですが、非常に謎の多いレンズです。
というのも情報がまったくない。
早くも「FUJINON-M」で検索するとこのサイトが出てくるくらい、情報が出回っていない。

ニコンに比べてフジの工業用レンズというのはよりニッチな領域で使われていたのだろうか?
あるいは単に人気がなかっただけなのか。
いろいろ想像するところではあるけれども、原典資料や当事者の出現を待たなくては解答は得られない。
わたしはたまたま二本のフジノン-Mを所持した者として、できる限りの情報をWEBに流していきたいと思います。


『FUJINON-M 6.3cm F3.5』
FUJINON-M 6.3cm F3.5
金属製の鏡筒に一部銀色のステンレスを覗かせたモダンデザイン。
滑り止めはコインエッジ加工。
大きなくびれもなく、ストンとレンズの先からマウントまで一直線のデザイン。
マウントはM39と使いやすく引き伸ばしレンズで撮影を楽しむ方なら苦もなくマウント可能でしょう。
フロントスレッドは42mmで、あいにくわたしはこれにあうステップリングを持っていないのでリバースでの作例はお出しできません…


絞り羽は10枚。クリックストップあり。
FUJINON-M 6.3cm F3.5
円形とまではいきませんが、きれいなボケを期待できそうです。


開放値F3.5で小絞りはF16まで。
FUJINON-M 6.3cm F3.5
このスペックを見るとニコンの『EL-NIKKOR 63mm F3.5』を彷彿としますね。
かのレンズは紫外線の領域まで踏み込んで色補正をしていますが、このレンズはどうでしょうか?
では、以下作例です。


作例=1『ダンゴムシ
Japanese Rolly polly
D90にベローズを装着して絞りはF8程度。
引き伸ばしレンズっぽいプレーンな無味無臭の写りですね。
この日は雨でたいした被写体もなく曇天だったため、ISO200でシャッタースピードが1/10と難易度の高い撮影でした。
三脚を使える距離ではないので、ベローズをうまく地面につけて固定できるようにして、ブレが出ないよう苦労をしました。


作例=2『鹿児島県産 玉滴石』
Hyalite
本来ならば深度合成をしてからのほうが作品としてはいいのですが、あえて一発撮りで。
こちらはISO200の設定でF5.6のSS1/60。
強力なハロゲン光源のもと、撮影台を使ってベローズ使用です。
写っている範囲は10mm程度です。
アトボケに色収差が確認できますが、ドラマチックなトーンやコントラストがない中立な写りです。


わたしは本格的に写真を趣味にしたのはデジタルからですので、あまり詳しい解説はできませんが、フジノンMは総じてプレーンな描写のようです。
産業用/工業用レンズとしてはよくある写りだと思います。
ただし、まだ各種倍率での試写やいろんな光源での写り。さらにはリバースでの実力を試していませんので、これからも地味に使い込んでいきたいと思います。

ただ、これは私的感覚での評価ですが、太陽光下でのネイチャーものの撮影がよく写ります。というよりも色がはえる気がします。
一定の光で工場のラインで働いていたレンズにしてき奇妙なことですが、表に出して太陽光がさんさんと当たる環境で、虫やら植物やらキノコを撮るのがいいと感じます。

わたしは基本、インドアで石撮りなのでちょっと残念ですが、これを機会におそとの自然でも撮ろうかしら。
みたいな気にさせるレンズです。



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