マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

FUJINON・A 1:9/180

fujinon・A 180mm F9

フジノンAは大判用のマクロレンズだ。
マクロとは書かれていないけれども、
複写近接用に設計され、RGB色収差を補正したアポクロマートレンズ。
フジノンの大判レンズには「マクロ」という直截な記載は(いちおう)存在しない。

このシリーズで180mmはもっとも焦点距離が短く、
長焦点には
240mm/9
300mm/9
360mm/10
600mm/11(特注品)
1200mm/24(特注品)
がある。
大判レンズとして抜群にシャープなレンズで、
F値を犠牲にしてまで収差補正を抑えこんでいる。
600mmと1200mmはアポクロマートを意味する「A」のみのタイプと、
初期の「A S」という銘板表記があり、
これは「スーパーアポクロマート」とフジノンは表現している。


構成は前玉と後玉に貼り合わせガラスを配した、
完全対称4群6枚ダブルガウス型。
また、240mmと構成はまったく同じ。
300mmと360mmは資料不足で不明だけれども、
600mmと1200mmの構成も同じで、中玉の単レンズがやや厚く作られている。

↓FUJINON・A 180mm & 240mm 構成図
Diagram [fujinon・A 180mm F9]

大判用のイメージサークルφ252mmある180mmを、
フルサイズ素子のデジカメにつけて遊ぶ。
無限遠を出すには180mm以上のバックフォーカスが必要だけれども、
変換リングをセットするために必要なポイントが多い。
前枠が48mm。後枠が37mm。フランジ取り付けネジが32.5mm/P=0.5と、
よりどりみどりだ。完全対称なので、リバースでも問題なし。
わたしは沼の先輩よりフランジ取り付けのところの
変換リングを融通していただいたので、
後玉をすっぽりベローズ等に隠せるスタイリッシュさ。

fujinon・A 180mm F9


わたしはこのレンズをつけて外に飛び出し、猫などを撮る。
ファインダーは暗く、ピントはわかりにくい。
それでもピンがきたときの嬉しさは格別。
ひさびさの猫撮りを楽しく過ごせました。
以下作例。ほぼ開放or一段絞り(F11)


Stray cat
Stray cat
Stray cats
Stray cat
Stray cat
Madonna lily
Hydrangea


暗く扱いにくいレンズは、謎の産業用レンズで慣れている…
とも言いがたく、歩留まりは悪い。
デジタルだからこそ気にせず連写でヒットを出せる。

かつて、フィルムにレンズ遊びを見出した先輩たちにこそ、
この作例は捧げられるべきかもしれない。

※2015/6/16:一部記事を追記

fujinon・A 180mm F9





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
[↑2014年4月。大判フジノン出荷終了…合掌]