マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

石好きによるルーペ紹介①『Belomo TRIPLET 10x』

Belomo Loupe 10x

鉱物や宝飾品をさらに楽しむために必要なもの。それはルーペだ。異論はさまざまあるだろうけれど、わたしはまず10倍の繰り出しルーペを手に入れるべきだと強く主張したい。ひとまず何でもいい。鉱物ショップやミネラルショーの端っこに売っている500円くらいのものでいい。そしていつもポケットに入れておき観察のクセをつける。

いつしかルーペはボロボロになり、繰り出し部分のカシメはゆるゆる。しまいにはどこかで失くしてしまうかもしれない。そのころには、すっかり鉱物をルーペで眺める習慣ができているはずだ。そして次のルーペはどうしようかと思う。鉱物沼からにゅっとルーペ沼の双葉が分かれる瞬間だ。

そこでおすすめしたいのはベラルーシの光学メーカーであり、かのカール・ツアイスの系譜を受けているかもしれない(微妙な表現)ベロモ(Belomo)の十倍、トリプレット繰り出しルーペだ。値段も3000円程度と安価だ。

日本での正規販売をしているところがなく、アマゾンで多少割高で売っている。いちおうアマゾンリンクは末尾に貼っておくけれども、買うのであれば公式の『Belomo store』がオススメ。正規品を正規の値段で、しかも全世界送料無料で送ってくれる。PayPalアカウントが必要だけれども、海外通販をするならPayPalは必須だ。この機会に取得しておくといい。

なお、ebayでも同様の値段帯でこのルーペが売っているけれども、やめておいたほうがいい。セラーによってはどうもアウトレットのB品を売っているのか、鏡筒印字がズレていたりする。値段はほとんど変わらないのだから公式で買おう。ベロモルーペを5個以上買ってきたわたしがいうのだから間違いない。

Belomo Loupe 10x

肝心の光学性能についてはすばらしいの一言。

3000円前後の価格帯でベロモの10倍に匹敵するものは皆無だといっていい。これを買ってしまうとなかなか次のルーペに満足できない。という点で、ルーペ沼に沈みにくくなるという副次効果すら生まれるほどだ。

三枚貼り合わせガラスは大きく視野が広い。解像度はトップクラスだろう。500円のルーペに慣れたものがこれを使ったら、間違いなく衝撃を受ける光学性能だと太鼓判を押せる。

ベロモの魅力はコストパフォーマンスと光学性能にあるが、弱点が皆無というわけではない。むしろ弱点が多く、それがまたこのルーペの魅力となっている。

ひとつは鏡筒。レンズを収める枠のことである。

ここの繰り出し部分を留めているネジがまず弱い。何度か使ってしまううちにすぐに甘くなっていき、締めても締めてもすぐにグラつく。どんな個体もハードに使い続けていると、ついにはバラバラになってしまう。これはベロモルーペの宿命だと割り切るしかない。

なのでわたしはここのネジをデフォルトのマイナス(!!)ネジからトルクスネジに変えることで解決した。特殊ネジなので特殊ドライバーが必要になるけれど、締め込みが必要なところはトルクスネジが一番だ。

ベロモの最大の弱点はこのネジなので、ここさえ自分に合うものを見い出せばもう安心。ただし、ベロモルーペが突然規格を変えたりすることも考えられるし、個体差があるかもしれない。上記リンクのネジは自己責任でことに当たっていただきたく。

また、ベロモルーペは細かい仕様変更が多く、届くたびに外箱の仕様が違ったり予告なくストラップが違うものになっていたりする。合わせてご留意を。

Belomo Loupe 10x

重箱の隅をつつくのであれば、レンズが大きいためわずかに内面反射が強く感じることがある。これは一度レンズを取り出して、トリプレットレンズの側面を黒く塗れば改善できる。コントラストが一段上がるので、ぜひともトライしてほしい改造のひとつ。

レンズの側面に墨を入れること「コバ塗り」といい、昔は本当に墨を使っていたという。墨は乾くと耐水性もあるのでそれでもいいのだけれども、よければ『ターナー アクリルガッシュ ジェットブラック』を試していただきたい。ブラックホールのような黒にきっと満足できるだろう。

さらに重箱の墨をつつくとコーティングがこってり分厚くかかっている。これはより光を透過させて解像度を得るためにはとてもいいものなのだけれども、観察物の性格な色を知るためにはマイナスに働くことがある。ベロモの10倍で肌のきめを眺めていたりすると、コーティング由来のグリーンがアウトフォーカス部分にうっすら乗ってくる。

リアルな宝石鑑定シーン。たとえばダイヤモンドの色を見る時などになると、このコーティングの色が性格な判定を損ねる。宝飾用のトップルーペになるとノンコートの光学ガラスを使う。あるいは慎重にごく薄いコーティングをかける。その点でベロモは雑であるといってもいい。

ただし、コーティングの話にまで言及するのはあくまで重箱の隅。ということを念頭に置いてほしい。鉱物を観察するシーンは採集現場もある。そんな中ではコーティングのもたらす色というのはさほど大事ではない。環境がもたらすデメリットのほうに目を向けるべきだ。すなわち堅牢で傷つきにくく、視野が大きく明るい。ベロモはフィールドワークでルーペを働かせるのに理想的だ。

鉱物採集でなくとも、デスクわきに置いてちょいちよいと使っているとこのベロモは年季が入ってくる。滑り止めの表面加工の凹凸が散っていき、ついにはツルツルになっていく。

この表面加工の弱さも改善してほしいところなのだけれど、道具が自分とともに成長していく証。と思えばそれほど気にならない。ワンランク上のマクロ視野がほしければまずこのBelomoを手に入れるのがよろしいかと思います。

Belomo Loupe 10x

【まとめ】
Belomo TRIPLET 10x

レンズ径=19mm(実測)
重量=45g(ストラップなし改造品/実測)
全長=31mm(繰り出し前/実測)
厚さ=24mm(実測)
レンズ構成=トリプレット

・観察しやすさ=95点
・解像感=95点
・扱いやすさ=90点
・耐久性=85点
・コストパフォーマンス=100点
・総合点:93点

 

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[ベロモ。10倍以外は使いにくいぞ!!]