マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

『石好きによるルーペ紹介⑩ IWAMOTO Achromatic 18X』

IWAMOTO Achromatic 18X

 

岩本鉱産物商会。という店が東京は渋谷区。代々木にあった。

地学フィールドワーカーにとっては装備一式を揃えられる総合専門店で、今も一部の在庫は『株式会社 ニチカ』が継承して販売が続けられている。わたしのような現金採集が主なライト層にはさほど接点がないところではあるのだけれども、ここのルーペがとてもいい。ということは通人の間で語り継がれている。わたしもその一点で接点があった。

わたしは基本的に10倍のルーペを愛用していて、それ以上の倍率が必要な観察は顕微鏡を使う。20倍近くなってくるとアイポイントは狭く、レンズ先端から標本までの距離は10mmもない。つまり、扱いにくいのだ。出先では10倍で見えないものは潔く諦める。どうしても見たい場合は仕方なくベロモの20Xを持っていく。ということが多かった。

しかし岩本の18Xはレンズ径15mmという大口径にしてワーキングディスタンスは10mmアップ。わたしの主観だけれども解像力に申し分なし。ヘンな色づきも周辺部位の歪みもなく、じつにいい高倍率ルーペ。

材質はおそらく真鍮にロジウムメッキがかけてある。梨地にシンプルなロゴと倍率と「Achromatic」の彫り込みに浅く墨を流してある。繰り出し部分はカシメではなくネジで留めているのでメンテも用意。高級感があり堅牢。ノンコートのトリプレットレンズはフィールドでも取り扱いがよろしい。

岩本のルーペには10Xと20Xのラインナップが知られていて、18Xは比較的レアだ。もしかしたら特注品かもしれない。そもそも岩本じたいがすでに無く、すべてのIWAMOTOルーペはレアとなってしまった。

とくに高倍率の持ち歩き用ルーペをお求めの方。もし岩本の18倍を見つけたら拾っておいて損はありませんよ… 

 

IWAMOTO Achromatic 18X

 

【まとめ】
IWAMOTO Achromatic 18X

レンズ径=15mm(実測)
重量=43.8g(実測)
全長=43mm(繰り出し前/実測)
厚み=24.65mm(公式)
レンズ構成=トリプレット

・観察しやすさ=90点
・解像感=91点
・扱いやすさ=93点
・耐久性=98点
・コストパフォーマンス=-点(絶版)
・総合点:93点

 

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[IWAMOTOは海外のフィールドワーカーにも人気だったようです]