昨年10月。『Makuake』というクラウドファウンディングサイトを眺めていたときに目についたのが『携帯式ロマン生成ガジェット「トグルマター」』というものだった。
ひたすらトグルスイッチをパチパチするだけの、『無限プチプチ』的なジョークアイテム。このときすごく何かをパチパチさせたい気分だったので、即座にポチった。そして先日こちらが届いたのでレビューしていきたい。
内容は外箱に本体。そして説明書。どこにも繋がっていないスイッチに箱はともかく説明書はいるのか。という疑問はいけない。そんなことをいったらこのアイテムの存在意義が消えてしまう。
さっそくパチパチとスイッチングしまくる。
…うん。いい感触だ。
小一時間くらいはぼんやり動画などを見ながらこれをパチパチ弄んでいた。予想通りのアイテムだ。切り替えたときのクリック感はまさにトグルスイッチ。小一時間いじくり回してみたが剛性にもまったく問題なし。まずは実用面(?)について申し分なし。
じつはシングルスイッチのほかに、ダブルの筐体も予約していた。シングルは片手で。ダブルは両手でグリップするのがよろしい。
手慰みのアイテムとしては抜群に割高なのだが、そこが「大人のおもちゃ」として美点になるのだから、しっかり驕っていただきたい。
以下仕様。アルミダイカストの質感がとてもいい。角もほどよく丸く仕上げてくれているのでハンドリングの心地よさが向上している。
- 本体サイズ : 横幅 40mm 奥行 60mm 高さ 43mm
- 重量 : 約75.0g(SW1個バージョン)、 約90.5g(SW2個バージョン)
- スイッチ : ミヤマ電器製 トグルスイッチ[DS-122]
- 材質 : 本体 - アルミ、 レバー - 快削黄銅
- 仕上 : 本体 - 無し、 レバー - ニッケルメッキ
しかし見過ごせない点がひとつ。
アルミダイカストのケースの下部に研磨痕がくっきりと走っており、そこだけツヤが出てしまっている。無意味なジョークグッズだけにこうしたひと目でわかる、美観を損ねた箇所を何の気無しに放置してしまったことはよろしくない。
こうしてみると質感の違いがよくわかる。
出来上がった筐体のサイズがわずかに違い、急遽ここだけ削って済ませました。という具合がすごい。ものはとてもいいだけに、この残念な仕上がりには肩を落とした。しかもこれ、削ったあとの上からしっかりレーザーでロゴまで入れている。無神経な仕上げといわれても仕方がない。それともこれは不良ロットなのだろうか。
あとは筐体の組み上げの精度があまりよくないため、継ぎ目が指に当たる。
しかしこれはケースの底面と上部はプラスの皿ネジで止まっているのを外して、自分で組み上げればズレは解消できる。それくらいの手間はユーザー側がすることで改善するのがふつうだと思っているので不備には当たらない。
しかし、何度調整しても外装の継ぎ目が指にひっかかる。筐体の寸法精度があまりよくない気がする。通常のものであれば気にならない程度の誤差なのだが、遊びのためにスイッチを弄ぶ装置のため、こういうところがすごく気になる。
ミヤマ電器製トグルスイッチ[DS-122]の姿を確認。頼もしいクリック感はここから来ている。
ケースは『TAKACHI』製のようだ。
総評として、クリック感を楽しむおもちゃとしてはかなりいいのではないかと思う。だがそこに質感や美観の目を向けると、ケースの扱いがあともうちょっと。という気がしてしまう。
削ったあとが目立つことと合わせ目の引っかかり。このふたつが気になる。ケースの合わせ目だけれども、短辺はバッチリなのだけれども、長辺に指ざわりなところがあるのだ。生産誤差もあるだろうから、これはわたしが神経質なところもあるとフォローしておくレベルだが。
こうした面白い発想のアイテムが出ること。それ自体が望ましいことであるというのは疑いようがない。わたしの中では激辛といっていいレベルのことを書いたが、もし次も同社から愉快なアイテムが出たら買うだろう。それくらいの注目をしている。
[金属製品ってとてもいいですよね…]