マクロ☆スタイル

日常に高倍率マクロ撮影。鉱物標本写真/ルース。猫も撮ります。マクロレンズと産業用の変なレンズが多いです

2016年秋 北海道ツーリング一日目

数年前から寺田くんと、バイクで蝦夷に住まう共通の友人である雨野氏に会いに行こう。
そのついでにあちこち走り回ろうという計画があり、ついに現実の運びとなった。
これはその旅の記録である。

なお、わたしのバイクはホンダのPCX125。原付二種スクーターだ。
普段は通勤に使っている。
ということは高速に乗ることができない。ひたすら下道を突き進むこととなる。

20160916

しかも行きは大洗発のフェリーが取れず、これはもうダメかもわからんね。
と、同道の寺田くんと話していたところ、

「に、新潟→苫小牧のフェリーに空きがある!!」

ということがわかり、東京から北海道へ行くためにまずは新潟に行くという、
なかなか味わい深い流れと相成った。
この段階で、一日で走破しなくてはならない距離は300kmを越える。

朝早くに都内某所に集まり、そこから出発だというところで寺田くんの30分遅刻。
なにしろ寺田くんは神奈川から一度東京に来るので、わたしよりも走破距離が長い。
時間はいいから事故らないようにオナシャスと連絡を入れる。
かなりゆとりを持っての時間配分なので、一時間遅れようと問題にはならないのだ。

出発。天気は不安定だがまだ寒くはない。
快調に飛ばしてコンビニビバークをしながらルートを確認&おトイレ。
なお、寺田くんのバイクはヤマハのYZF-R15。
わたしの125ccスクーターも大概だけれども、
よくセパレートハンドルのYZF-Rでロングライドをする気になったものだ。

ふたつ合わせて400ccに満たないバイクであるけれど、
赤青でこうして並んでいるとなかなかどうして、かっこいい。

20160916

20160916

群馬県のバイパスに入ったところで土砂降り。
バイパスなので逃げ込める店もなく、立体交差の橋の下で雨宿り。
雨脚が弱くなったところでレインコートを出すと寺田くん――

「俺、レインコート持ってきてないんですよね…」
「マジか!?」
「雨降らないって信じていたし、これは舐めプ(舐めプレイ)なんです!!」

小降りになったところで三国峠を目指す。
みちみち、ここにある『永井食堂』の「もつ煮定食」が安くておいしいという。
なんでも、地元民やトラック野郎に好かれて長いことやっているという。
まずは旅の道連れであるスティッチを入れて記念撮影。

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www.cm-tokyo.com

これが『永井食堂』の「もつ煮定食」590円(税込み)。
ここに卓上の七味唐辛子を振って食べるのが、風で冷えた身体にしみる。
味は上々。煮込みの具合は抜群で触感がしっかり残りつつも楽々噛み切れる。
野菜もいろいろ入っているし、量も多い。なにより安い。
席はカウンターだけしかないが、ここでモツを腹に入れておけば
ライダーの胃袋にもガス満タンで峠は安心だ。

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三国峠から新潟市内に入るまではひたすら山道だ。
心配していた天気も曇りで推移してくれた。
どうやら高崎あたりで降られたのは、ピンポイントだったようだ。

 

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赤谷湖のコンビニで休憩。
寺田くんによると、昔ここの湖畔には天然のいけない草が群生していたとかしないとか…
今ではそんなものは確認できなかったが、自生していたのでは仕方がない。
人々がそれを摘んだり精製したり吸引しなればいい。
見たかったなあ、麻の群生と花。

 

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南魚沼の道の駅でビバーク。
ここのフェリー出向時間がまだ先なので、休憩室で一時間の仮眠を撮る。
ここまで軽く書いているけれども、スティッチおじさんの身体はガタガタである。
なのでオロナミンCを入れてファイトを補給だ。

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南魚沼の道の駅を出てすぐにとっぷりと日が暮れ始める。
都内とはまったく違う、街灯の少なさと虫の多さにひるみながらも進軍だ。
途中、わたしのメットにカナブンが被弾して死にそうになる。
夜のカナブンを見切ることは人間技では不可能だ。
夜間走行中はノックダウンしないよう、常に気を張っていなくてはならない。

「意識を失うか否は、ダメージの瞬間の覚悟の量で決まる」

範馬勇次郎もそういっている。

 

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新潟港へ到着。フェリーのバイク待機所で一枚。
フロントカウルやメットのシールドは虫が生命を散らした跡で大変なことになっている。
軽く拭いたが、タンパク質の汚れはなかなか落ちないのが辛いところだ。

 

20160916

出向までまだ一時間の余裕があるので、フェリーターミナルで夕食。
期待していなかったのだが、そこの『にいがたセット』が予想外においしい。
ミニたれカツ丼は新潟の名物(?)で、ヒレ肉を目の細かいパン粉で揚げ、ソースに漬けて出される。
これがナゲットのような触感で軽く、ラードで揚げているにもかかわらずサクサクいける。

ざる蕎麦は「ふのり」を練りきりした、いわゆるへぎそばと同じタイプ。
よく見るとグリーンがかかったそばで、つるつるとしていて歯切れがよい。
これはうれしいセットだった。

20160916

野郎ども! 出港だ!! 尻尾を立てろ!!!
という感じで、数十台のバイクが一列になってフェリーに乗り込む。
なんともいえない一体感がいやでもテンションを上げる。

バイクにはすべてどこの港で降りるのか、ミラーにタグをつける。
これがまたそれっぽいではないか。

ここでいくらかの待ち時間があるのだけれども、
YZF-R150を眺めながら寺田くんに話しかけてくるライダーあり。
同じヤマハのバイクに乗っているらしく、話が盛り上がっている。
これも遠征ツーリングの醍醐味かな。

「YZF-Rの250レプソルカラーがほしかったんですけどねー」
「あ、…わたしそれに乗ってますよ。見ますか?」

という感じで寺田くんがバイクを見に行って、しばらくしたら帰ってきた。
何か少し悲しげな顔だ。

「あの人、来る途中でコケたんだって。カウルザリザリで、ウインカーも折れてプラプラしてた…」

外装慣らしはライダーのたしなみ。
ケガがなくてなりよりということで、これから先を気をつけるべく
先達の教訓を胸に刻んで客室に向かうわれわれ。

まずは風呂だ。
ここまで来るのに雨も受けたし汗もかいた。

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野外ジャグジー…?
どうやらこれは季節限定。しかも、入るには水着着用とのこと。そりゃそうだ。
奥で盛り上がっているハーレー軍団の皆さまが積んだビール缶を横目に大浴場へ。
ひとっ風呂を浴びて、客室のホットラック いや、二段ベッドの下に転がり込み、
着替えやら何やらをまとめる。上段には誰もこないようだ。

自動販売機でビールの500ml缶を二本購い、それを一気に飲み干す。
疲れてこわばった身体を風呂でぬくめた全身に染みるようだった。

本日の走行距離336km。
走行時間のべ8時間。

さすがに疲れ果てていたのか、わたしも寺田くんもすみやかに眠りに落ちる。
おだやかな船の揺れがゆりかごの中にいるようだった。

20160916

 

 ↓二日目に続く

macro-style.hatenablog.com

 

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